« 2006年07月 | メイン | 2006年09月 »

2006年08月27日

スポーツクラブへ

先月、隣駅の駅ビルにスポーツクラブがオープンしました。
ずっと気になっていたのでちょっと様子を見に行ってみたら、駅直結で通いやすそう!
この際、思い切って入会することにしました。

とはいっても、私はもともと運動はまったく好きなタイプではありません。
以前、スポーツクラブに入会していたのはかれこれ5年くらい前で、
その時は、ブラジルに遊学するための体力作りにと、重い腰を上げたのでした。
リオに行ったら、どうしてもサンバカーニバルに出たかった私は、
なんとか45分の間、踊り続けられるくらいにはなりたかったし、
たとえカーニバルに出なくても、ブラジル住まいに体力があった方が良いのは明らかでした。

ということで、私にしては珍しく週1回は通って、
エアロビクスをしたり、プールに入ったりしていたのであります。
本当は、週2回くらい通わないと効果はでにくいのだそうですが、
まったく勉強をしなかった子供が、週1回でも塾に行くとすぐに成果が上がるように、
ゼロだったものが1になるのは、時に大きな変化をもたらすもの。
私には、充分プラスになったように思います。

その時のスポーツクラブはわりと小規模で、昼間の時間帯などは、いつもガラ空きでした。
エアロビのクラスなんて、生徒が2人ということもザラ。
結果、マンツーマン指導に近かったのでお得ではありましたが、
「こんなんでやって行けるのかな...」と心配になっていたら、
どうやらやって行けなかったようで、
リオに行く直前の12月に、そのスポーツクラブは突然、閉鎖が決まりました。
どっちにしろ休会する予定だったけど、帰国後に通う場所はなくなってしまい、
スポーツクラブ通いはそれきりになりました。。

それから引越しをして、時は過ぎ...
以前とは違う大手スポーツクラブが、やっと近所にオープンしたのです。

先日、入会手続きに行くと、真っ昼間だというのにマシンでたくさんの人が黙々と運動をしているではありませんか!
すごい、前とは全然違う...繁盛してるんだ...

そんな様子を横目で見ながら一通りの入会書類を書くと、受付担当者が私に衝撃の一言を発しました。
「それでは、会員証に添付する写真を撮影させていただきますので、
 あちらの椅子に移動していただけますか?」

写真?!

入会手続きついでにヨガのプログラムを受講しようとしていた私は、どうせ汗だくになるし、
シャワー浴びて帰るし...と思い、極めて適当な化粧しかしていなかったので、思わず
「えぇーっ!!」
と言ってしまいました。すると、担当者は、
「申し訳ありません、女性の方は汗をかくから、プールに入るから、といった理由で
 ノーメイクの方なんかもいらっしゃるので、大変恐縮なのですが...
 デジカメでお撮りしますので、何度でも撮り直しできますから!」
と、すごく申し訳なさそうです。
...よっぽど嫌がる人が多いんだろうなぁ。
そういえば、『入会の際にお持ちになるもの』=通帳とかハンコとかは、広告のご案内にもちゃんと書いてあるのに、
「写真を撮ります」とは書いてないものね。これのがよっぽど重要な情報なのになぁ。

でも、会員証なんて誰かに特別見せるものでもないし、まぁいいか、と思い直して撮影用の椅子に移動。
相変わらず
「何度でも撮り直ししますので!」
と言い続ける担当者に、
「はーい、笑ってくださーい!」
とノセられてノートパソコンにつないだデジカメで写真を撮られ、
「素敵に撮れてますよ〜」
とおだてられながら最初の1枚を見せてもらうと、まぁ別にそんなに変でもなかったので
「もう、それでいいです。」
と言って、即OKにしました。

これなら、何か見てはいけない物を見てしまい、驚きで声が出なくなってしまったようなすっとんきょうな顔で
空(くう)を見つめて写っている運転免許証の写真よりは、ずっとマシ。
免許証の写真って、照明が最悪なんだよな〜などと思い、待つこと数分、
あっという間に顔写真入りの会員証ができあがりました。

その後、ざっとロッカーの使い方や館内の説明を受けて、着替えを完了。
あんまり早くヨガのスタジオに行っても、新参者としては身の置きどころがないかと思い、
シャワ−室やあちこちをウロウロと偵察してから、
5分前くらいになって、おずおずとスタジオに足を踏み入れると、
なんともう20名以上の人が、マットの上で思い思いの柔軟体操をしているではありませんか!

  えー こんなにたくさん受講者がいるんだ!

しかも、若い人もけっこう多いのです。
それからも人は増え続け、結局プログラムが始まるまでには
35名近くでフロアはいっぱいになりました。

私の参加したヨガのクラスは、一番初心者向けのプログラムです。
仏像のような座禅(椰子の木のポーズというらしい)から、
目を閉じて、ガムランの音色に身を任せていると、なんだか色々できそうな気にもなってきます。。
そこから、少しづつ手を動かしたりしていくのですが、
ひとつひとつのポーズは初心者向けということもあって
そんなにハードなことをやってはいないのに、
呼吸をしっかりしながらすると、これがどんどん汗をかくのです!

先生は同じことを完璧にしながら、マイクで解説、指導しているのに、
ぜんぜん息が切れていない...(当たり前だけど)!

「今は心を静かにして、体の内側にすべての感覚を向けてください」
「色々な考えが浮かんできても、考え込まず、ただ受け止めて、流してください」
ポーズをとっている間に、先生は色々とナビゲートしてくれるのですが、
体のバランスを取るのに一生懸命で、とても私、色々なんて考えている余裕はありません。
...ある意味、無になれてるのかも(^^;)

このスタジオの隣には、もう1つスタジオがあって、そちらからは
「ワンツースリー!、ワンツースリー!」
というイキの良いかけ声と共に、たくさんの足音とわずかな振動が伝わってきます。
  あ〜 隣りはエアロビ? 
と思いつつ(後で調べたら、ジョギングエアロという負荷の大きなプログラムでした)
こちらはいたって静かな空間。。

最後に、ただ仰向けになる「屍(しかばね)のポーズ」で、この日の1時間レッスンは終了しました。


かなり動いたけど、疲れてはいなくて、頭と体がすっきり。
普段は家でギターを弾いたり、パソコンをしたりしてじーっとしている時間が長い私としては、
なかなか得られない心地よい感覚です。
当分は、いろいろなプログラムを試しつつ、週1ペースで通おうと思います。

2006年08月21日

プールサイドのカフカ

pool.jpgお盆休みに、ちょっと奮発して都内のホテルのプールプランを使って、プールへ行きました。
そのホテルのHP写真では、プールサイドにデッキチェアがたくさんあって、
そこでのんびりと本でも読めそうな雰囲気。
いつもプールや海に行くと、「ここで泳がな損!」とばかりに夢中で水に入るので、
今回はそれをやめて、オトナな休日にしようと決心し、
手ごろな雑誌でもないかな〜と、前日に本屋に行ってみました。

しかし、もともと美容院でくらいしか雑誌は読まない(まず買わない)ので、これといって読みたい雑誌がない。。
もちろん美容院で手渡されれば一通りは読むのですが、なんだか疲れてくるのです。
なぜって、女性向けの雑誌って、どうしてあんなに
   (1)モテたいのでしょうか?
   (2)洋服を着回したいんでしょうか?

確かに、綺麗な女性は増えているし、自分を磨くことは大切だと思うのですが、
『シチュエーション別! 一週間これで完璧!着回しテクニック!』
のような特集は今や定番で、
 ●月曜日:今日は1週間の初日。朝のミーティングには、さわやかさにかわいらしさをプラスして!
 ●水曜日:アフター6には、大学時代のお友達と広尾でフレンチ・ディナー。パンツスタイルで格好良く決めたい。
 ●土曜日:休日の午後は、彼と話題の映画へ。コンサバに女性らしさを漂わせて!
みたいなのが、「この日は○○と○○を着た」という解説付きで出ています。

さらに、既婚編では、「金曜の夜、夫と休日の予定を立ててみる」時の洋服コーディネートまで出ていたりします。

こういうのを観ていると、
「こんなに頑張って洋服を着なくちゃいけないの...」と、私なんぞは息が詰まって来るような錯覚に襲われます。
着たい服を、着たい時にTPOに合わせて着ればいいと思うんですけどね。
確かに、私も会社員をしていた時は、クリ−ニング屋がびっくり仰天するほど洋服を持っていましたが、
それが苦痛だとは思わなかったので(むしろ、毎日の服選びは楽しかったくらいで...)、
その渦中の人は、別にそれでいいのかもしれないけど。

ちなみに、たいてい人前に出る時はライブかレッスンの私にとって、
膝丈ワンピやお嬢様風スカート、しっかり決め決めのフリルシャツなどには、縁がありません。。
ギターを弾く時は、ジーンズやパンツ、もしくはロングスカートなので、
雑誌の着回し特集も、「リゾートで過ごす! 旅行中、失敗しないワードローブ術」の時は、使えます。
(ということは、私の人生って毎日が遊びみたいなものなのかしら...(^^;)


...と、話は逸れましたが、本題へ。
結局、本屋では、まだ読んでいなかった村上春樹氏の「海辺のカフカ」上下巻の文庫を購入し、
念願の「プールサイドで本を読む」を、実践して来たのであります。

村上春樹氏の作品は大好きで、ドキュメンタリーや翻訳本を除けば、ほぼすべて読んでいるほどのファンです。
彼の作品にハマッたのは「ノルウィェイの森」がきっかけでした。
一番のお気に入りは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。
「海辺のカフカ」も、「世界の終わりと〜」と同じ路線の作品だったので、あっという間に引き込まれました。

上記はすべて上下巻の長篇作品で、内容も難解(不可解?)な部分も多いのですが、
ぜんぜん長くも、小難しくもない...でも、読み終わったあとに、色々と考えてしまうんですよ。
私は、読んでいる間は夢にまで観てしまうくらいです。

そして、私が村上氏の作品に特に心惹かれるのは、一文一文の文体です。
すべて詩のようで、それでいてユーモアがあって、いつも「この1冊で、何曲歌が書けるだろう?」と思ってしまいます。

歌に例えるなら、文体は声質(声の出し方)かな。
テクニックがうまくても、人の心に届かないこともあります。
声はその人その人が持っている揺るぎない個性であり、
やはり歌手の好き嫌いは、声の好き嫌いに因るところが大きいと思うのです。
文章も、ただ綺麗にスラスラと並べてあればいいというものでもなくて、
だからと言って、やたら個性的な言い回しが多いと鼻につくこともあるし、
何しろ言葉回しが好みじゃないと、1冊どころか数ページでも、私は読んでいられません。

プールサイドで帽子にサングラス、パーカー着用という、日焼け対策フル装備で
「海辺のカフカ」を読みふけってしまった私...これって廻りから見ると
あの人、何しに来たんだろう?って感じかもしれませんね。

あ、プールにも、もちろん合間に入りましたよ?!


2006年08月13日

御礼;ライブ

grumit.jpg不安定なお天気にもかかわらず、たくさんのお客さまにいらしていただき、昨日のライブは無事終了しました。
最近は、カフェやイベントでのライブが多くなり、「ライブハウス」でのライブは久々だったのですが、アットホームな雰囲気のクラスタさんで楽しく演奏することができました。
皆様に厚く感謝・御礼申し上げます!

クラスタの出演は初めてで、先月ご挨拶に伺った際にはクラシックギターのソロ演奏だったので、PAを通した音は当日初めて耳にしましたが、ここの木のスピーカーが、とても柔らかくて素敵な音がするのです。
とても年代物だそうですが、やっぱりスピーカーは大事ですね。

ライブは今後、新アルバム制作に専念のため、秋までのマンスリー出演の二子玉川フーケを最後に、しばらくお休みする予定です。
それもあって、今回のライブは、自分の中で大きな意味を持っていた気がします。
  良い歌とは、良いライブとは、何か?
ずーっとそれを考え続けていて、もちろん今後もそれは追求していく事ですが、「基本的に上手い」ことは最低条件で、
そのあとに続くものこそが、アーティストとしての器を形作って行くのだと、今あらためて感じています。


「来て良かった」「また来たい」と思っていただける、楽しんでいただけるライブを目指して今後も精進して参りますので、
どうぞよろしくお願い致します。


写真は、8/11に発売になったイギリスのクレイアートアニメ『ウォレスとグルミット』のDVD。
1作目から大ファンなのです。
今日はこれから、ゆっくりこれを楽しみます♪

2006年08月09日

宝探し

日々増え続ける譜面の整理をいつかしたいと思いつつ、なかなか手出しできないままになっていましたが、今月から部屋の大掃除を兼ねて、少しずつ大々的な整理整頓に入りました。

  最近よく使う自分の曲の譜面、ちょっと前の譜面、だいぶ前の構成表、
  自分が歌うボサノバスタンダードの譜面、前に演った譜面、
  レッスンで使う生徒さん用の譜面、前期レッスンで使った譜面...

とりあえず、この3つは大きく分けてあって、定期的にメンテはしているのですが、
使って戻す時に迷子になるものもあり、とにかく一度きっぱりバッサリ分けて、すっきりしたかったのであります。

そんなこんなで、色々な物に出会いました。
  確かにあったはずなのに、何処に行っちゃったかな〜というCD。
  そう言えば、この曲演ったんだっけ!という譜面。
  昔の曲の歌詞や構成表、作詞の下書きノートたち。。

アルバムを整理しているように、その度に懐かしく見入ってしまうので、時間がかかるったらありません(^^;)

その昔、ミュージシャンになりたいと思い始めて、あちこちにデモテープを送っていた頃、
定期的に私の曲を聴いてくれていたレコード会社の制作部の方に、
「100曲作ったら、プロになれるよ」
と言われたことがあります。
当時は、まだ30曲にも満たない作品しか作っていなかった私は、
100曲なんて...!と思ったものですが、なんとなくいつもその言葉が頭の片隅にあって、100曲、100曲!とそれに向かっていたのを覚えています。

結局、95曲くらいのところで、私は音楽の仕事をもらえるようになりました。

この話は、その後、ミュージシャンの友人たちには
「なんていい加減なことを言うんだ〜」「そんなこと信じたの?!」
とさんざん笑われましたが、
そのくらい一気に曲作りができなければ、プロにはなれないんだろうなぁという漠然とした思いは、当たっていたように思います。

今になって振り返ると、良い曲を作るのは難しいけど、考えてばかりいても駄目だということを教えてくださったのでは、とも思います。
楽しくて仕方がなければ、道のりは険しくても、苦しくないはずですしね。

「人間は、苦しいと『私、今努力している、頑張ってる、すごい!』と思ってしまうけど、
 それは間違っている。その結果、間違った方へ進んだり、体を壊したりしてしまう。
 正しい努力とは、苦しくもつらくもない。だからずっと快適に続けていける。
 その”過程”を楽しみなさい。目的達成主義者になってはいけません。」

とは、私の師承の1人のお言葉。
今は、この言葉がいつも頭の片隅に、あります。

そして、譜面整理はまだまだ続く...