プールサイドのカフカ
お盆休みに、ちょっと奮発して都内のホテルのプールプランを使って、プールへ行きました。
そのホテルのHP写真では、プールサイドにデッキチェアがたくさんあって、
そこでのんびりと本でも読めそうな雰囲気。
いつもプールや海に行くと、「ここで泳がな損!」とばかりに夢中で水に入るので、
今回はそれをやめて、オトナな休日にしようと決心し、
手ごろな雑誌でもないかな〜と、前日に本屋に行ってみました。
しかし、もともと美容院でくらいしか雑誌は読まない(まず買わない)ので、これといって読みたい雑誌がない。。
もちろん美容院で手渡されれば一通りは読むのですが、なんだか疲れてくるのです。
なぜって、女性向けの雑誌って、どうしてあんなに
(1)モテたいのでしょうか?
(2)洋服を着回したいんでしょうか?
確かに、綺麗な女性は増えているし、自分を磨くことは大切だと思うのですが、
『シチュエーション別! 一週間これで完璧!着回しテクニック!』
のような特集は今や定番で、
●月曜日:今日は1週間の初日。朝のミーティングには、さわやかさにかわいらしさをプラスして!
●水曜日:アフター6には、大学時代のお友達と広尾でフレンチ・ディナー。パンツスタイルで格好良く決めたい。
●土曜日:休日の午後は、彼と話題の映画へ。コンサバに女性らしさを漂わせて!
みたいなのが、「この日は○○と○○を着た」という解説付きで出ています。
さらに、既婚編では、「金曜の夜、夫と休日の予定を立ててみる」時の洋服コーディネートまで出ていたりします。
こういうのを観ていると、
「こんなに頑張って洋服を着なくちゃいけないの...」と、私なんぞは息が詰まって来るような錯覚に襲われます。
着たい服を、着たい時にTPOに合わせて着ればいいと思うんですけどね。
確かに、私も会社員をしていた時は、クリ−ニング屋がびっくり仰天するほど洋服を持っていましたが、
それが苦痛だとは思わなかったので(むしろ、毎日の服選びは楽しかったくらいで...)、
その渦中の人は、別にそれでいいのかもしれないけど。
ちなみに、たいてい人前に出る時はライブかレッスンの私にとって、
膝丈ワンピやお嬢様風スカート、しっかり決め決めのフリルシャツなどには、縁がありません。。
ギターを弾く時は、ジーンズやパンツ、もしくはロングスカートなので、
雑誌の着回し特集も、「リゾートで過ごす! 旅行中、失敗しないワードローブ術」の時は、使えます。
(ということは、私の人生って毎日が遊びみたいなものなのかしら...(^^;)
...と、話は逸れましたが、本題へ。
結局、本屋では、まだ読んでいなかった村上春樹氏の「海辺のカフカ」上下巻の文庫を購入し、
念願の「プールサイドで本を読む」を、実践して来たのであります。
村上春樹氏の作品は大好きで、ドキュメンタリーや翻訳本を除けば、ほぼすべて読んでいるほどのファンです。
彼の作品にハマッたのは「ノルウィェイの森」がきっかけでした。
一番のお気に入りは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」。
「海辺のカフカ」も、「世界の終わりと〜」と同じ路線の作品だったので、あっという間に引き込まれました。
上記はすべて上下巻の長篇作品で、内容も難解(不可解?)な部分も多いのですが、
ぜんぜん長くも、小難しくもない...でも、読み終わったあとに、色々と考えてしまうんですよ。
私は、読んでいる間は夢にまで観てしまうくらいです。
そして、私が村上氏の作品に特に心惹かれるのは、一文一文の文体です。
すべて詩のようで、それでいてユーモアがあって、いつも「この1冊で、何曲歌が書けるだろう?」と思ってしまいます。
歌に例えるなら、文体は声質(声の出し方)かな。
テクニックがうまくても、人の心に届かないこともあります。
声はその人その人が持っている揺るぎない個性であり、
やはり歌手の好き嫌いは、声の好き嫌いに因るところが大きいと思うのです。
文章も、ただ綺麗にスラスラと並べてあればいいというものでもなくて、
だからと言って、やたら個性的な言い回しが多いと鼻につくこともあるし、
何しろ言葉回しが好みじゃないと、1冊どころか数ページでも、私は読んでいられません。
プールサイドで帽子にサングラス、パーカー着用という、日焼け対策フル装備で
「海辺のカフカ」を読みふけってしまった私...これって廻りから見ると
あの人、何しに来たんだろう?って感じかもしれませんね。
あ、プールにも、もちろん合間に入りましたよ?!
コメント
akikoさん今日は。(^^♪
海辺のカフカ読まれましたね。
実はクリントン、村上春樹さんの大ファンなんです。
直木賞を取った「羊をめぐる冒険」から全て単行本持っています(^^ゞ
そした私も「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が一番のお気に入りです。
この作品は絶品ですね。これぞ村上春樹の真骨頂!読むものをどんどん春樹ワールドに引きこんでしまいますね。
海辺のカフカもいいですよね。
実は、彼の小説中で出てくる言葉のフレーズは私の口癖になっているのが結構あるんです。
「そうかも知れない」「たぶんそうだと思う」
そして最近の口癖は「○○はクリントンの大好物であります」(笑)
ではでは。(^^♪
投稿者: クリントン | 2006年08月23日 10:17
クリントンさんも、村上ファンでいらっしゃいましたか!
ドーナツを見るたびに、私は羊を連想してしまいます(苦笑)
「海辺のカフカ」では、無性にウナギが食べたくなりました?!
”見つけた2つのコード”は、
ボサに出てくるような複雑なテンションコードなんだろうな〜と
思ってしましました。。
投稿者: 柳沢 | 2006年08月23日 19:42
女性雑誌の話、爆笑です笑
実際はそんなにいろいろ考えていられませんよね。
雑誌読んでると、自分の服の買い方見直すべき?と思ってしまいます笑
でもエビちゃんファンな私です。
投稿者: リエコ | 2006年08月26日 17:35
エビちゃん、この前、ルイ・ヴィトンの社長から
名前入りのバックをプレゼントされてました!
バックの取っ手に「YURI」の文字が刻印されていたのですが、
てっきり「EBI」と入っているかと思っていた私には
ちょっとした衝撃でした。
...んな訳ないですよね(^^;)
投稿者: 柳沢 | 2006年08月26日 18:52