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CARNAVAL 2003(1-2)

アレゴリアは、ねぶた祭りのねぶたの山車、
またはディズニーランドのエレクトリカルパレードの山車を
10倍位?大きくしたと思ってもらえば良いと思う。
それが1チームにつき5~6台あり、その間あいだを人々が踊り歩くのだ。

実は、このアレゴリアはすべて手動で動いてる。
うしろにエンジンみたいなのが付いているので、少しは補助エンジンになってるのかと思ったら、
それはアレゴリアの装飾ライトのための、発電機だったのだ!
よって、動く時には人が10数人で後ろから原始的にえっちらおっちらと押している。
もちろん、お金のあるチームはエンジンをつけたり、トラクターを後ろにくっつけた形のアレゴリアを
作れるのだが、そんなのは優勝候補のほんの一部だけ。チーム運営もなかなか大変なのだ。
でも、”アレゴリア押し”の人々にもちゃんと揃いの衣装があって、そこまで全部がカーニバル。
決してタダの裏方では終わらないのだ。

しかし、アレゴリアの設計はかなりアバウトと言えよう。
道を移動している途中に、歩道橋みたいなのが一カ所あったのだが、なんとそこに頭がつかえて
通れないということがわかり、急きょてっぺんの冊みたいなのを取り外したりする一幕も。
やっぱりやることがブラジル流。
通ったら、またつければいいやってことで、問題解決なのだ。
日本だったら、高さ制限があって、それをちゃんと守って作るでしょ?
そいういのは、ぜんぜんしないらしい。

そうこうして移動してから、リーダーらしき人からこのへんに並べとかいろいろ指示を受けたものの、
そのあともまた待つこと1時間あまり。
だれも時計を持ってなかったので正確な時間は不明だが、もうわかってもどうしようもないので、
そのまま待ちながら他の衣装の人と写真を撮ったりしてたら、朝の4時、やっとやっと出番が来た。

パレードはサンボードゥロモと呼ばれる、サンバ・カーニバル専用の細長~い会場で行われる。
この約700メートルの距離を約50分かけて踊りながら進むのだ。入口のそばまで来ると、
強烈なライトに照らされた会場が目の前に迫ってきて、さすがに緊張。

アレゴリアの一番高い所に乗る人は、自力では上がれないので、
クレーンみたいなのでつりあげられて乗り、その人がスタンバイして、さあ、いざ出陣!

しかし。実際に会場の入り口を入ったら、お客さんはもうほとんど居なかった。

カーニバルは全部で3日間行われるが、私が出場した初日の土曜日はグループAの日
で、その後の日曜・月曜がグループS(スペシャル)の日。
行進の後、1チームごとに細かい審査があって、毎年グループAの上位2チームと、
グループSの下位2チームが入れ替わることになっている。

私が出場したチームのグループAというのはいわば2軍なので、もともとお客は少ないし、
しかも出番が最後から2番目だったのでお客も帰ってしまったらしいのだ。
なので、「あら、あんまりもう客がいない」と少々残念に思いながら進んで行くと、
背後で、チームの行進スタートを知らせる花火が賑やかに舞い上がった。

それで意気揚々に戻った私達、ぶっつけ本番、見ようみまねのまま進むこと10数分、
サンボードゥロモの真ん中あたりまで見わたせる所まで来ると、そのへんのお客さんは
まだほとんど帰っていないことがわかった。
真ん中はやはりパレードもクライマックスになる場所だからかライトもすごく、
まるで会場全体が闇の中に浮かび上がるようで、たとえようもない綺麗さだった。

「初めてカーニバルに出場した時は、会場に入ったとたんに感極まって泣いたよ」
と、友達は言っていたけれど、そういうのは私はなかった。

テレビで観るよりはそんなに人ごみで窮屈でもなく、今まで考えていたほどの感動もなく...
いや、感激はあるのだが、あまりに夢のようだと、現実感がないのだ。

しかも、とにかく、暑い!足が痛い!

もちろん、ずーっと歩いてるわけじゃなくて、ちょっと進んで立ち止まって、
またちょっと進んで立ち止まって、の繰り返し。
しかし決して踊り止まってはいけないのだ。

私の頭の中には、小さい頃に読んだ童話が蘇った。
確か、新しい靴を汚したくなくて水たまりをパンを踏んで渡って、地獄へ落ちた少女の話。
彼女はその靴で死ぬまで踊るという罰を受けたのだ。
あれ?赤い靴はいてた~の少女の話ってどんなだったけ??
踊り続けることが、こんなにも大変なことだったとは...

しかも、最初始まって7分くらいで、私たちの前のディスフィラールしていた男性1人が
具合が悪くなって倒れてしまい、救急隊員みたいな人が看護に駆け付けていた。

その人はすっごく大きな男性だったのだが、少し離れたところからでもわかるほどに
痙攣していて、血をはいていて、しかも途中で動かなくなってしまった。

その様子を横目で観ながら、しかも踊って追いこすというのは、かなりヘビーなシチュエーションだ。
会場に入ってすぐにそれがあったので、私たちはテンションがちょっと下がってしまって...

いやー 大変だなぁと、これから先のことを考えてキツいのが勝ってしまい、
感激ウルウルどころじゃなかったとも言える。

(つづく)

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