Gosto de mim?
リオの4人組サンバ・ショーロ・ユニット「Sururu na Roda」のアルバムに「Sou gamado por mim」という曲が収録されています。
意味はズバリ、「私は私が大好き」。
「Gosto muito de mim」と同じです。
この曲が、先日のポルトガル語の授業の資料として使われて、
その時に先生が私たち1人1人にこう聞きました。
「Gosta de voce?」(あなたは、自分が好き?)
当然(というか)、私たち8人の答は
「いいえ」「まぁまぁ」「時々」
という控えめなものでした。
すると先生は「どうして??」を連発し、
その後、迷いのない完璧な笑顔でハッキリと、
「私は自分が大好きよ!いつも大好き!」
と言ったのです。
そして、
好きな時もあるし、嫌いな時もあるなぁ、と答えた私に、
「どうして暁子は自分が好きじゃないの?
歌も歌えるし、ギターも弾けるのに?」と。
うーん。そりゃあ、コンプレックスも色々あるし...と言うと、
「何がコンプレックスなの??興味あるわねー、教えて」
「好きな時もあるなら、どんな時が好きなの?」
と、さらに矢継ぎ早の質問、質問、質問...
うむむ、あらためて聞かれると、難しい問題です。
日本語で説明するのだって、大変ですよ!
私って、自分の何が好きで、何が嫌いなんだろう??と考えてしましました。
授業が終わっての帰り道、クラスメートのNちゃんと、
「先生、ブラジル人らしかったね、あれは国民性だね」
と盛り上がりました。
ブラジル人の「自分が大好き!」と、キッパリ言える潔さ。
なんだか羨ましい気がします。
自分が好きじゃない人は、他人からも好かれないとか、
自分を大切にしない人は、他人も大切にできないとか、
そういうことはよく言われることだし、
自己評価が低いと、自信もなくなって表情も暗くなってしまうから、
自己愛=自尊心が大切なことは、たぶん日本人も皆わかっています。
でも日本人は、たとえそう思っていても
「私、自分が大好きなんです!」
とは、言わないのです。
芸能人には時々こういう人はいますが、
一般的には、元気にこんな事を言ったら、まわりにドン引きされるし、
「あの人、自分大好きだもんね〜」
と言われるのは、哀しいかな、誉め言葉ではないですよね...
でもたぶん、
「自分を好きになろうと、努力しています」
と言うのは、OKかな(笑)。微妙です。
良い点を先に見つけて数えるか?
悪い点を先に数えるか?の違いなのかもしれませんが、
「私、なかなかいいじゃない」と、ちょっとくらいは思っていても、
あえて公言しないのが美徳だったりする、その奥ゆかしさというか。
こういう日本人の文化も私は好きなので、どっちが良いなどとは思いませんが、
国によってホントに違うのだなーと、あらためて感じました。
日本でも、最近の10代の若者は、またちょっと違うかもしれませんけどね。
...と、ポルトガル語で答えられたら良かった(苦笑)。
外国語での授業というのは、「話すスキル」だけじゃなくて、
「自分」についても、色々考えさせてくれます。
言葉は文化。やっぱり奥が深いです。
[photo data]
Olympus E-410 ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5
ISO400 F3.5 1/60 +1.0ev 54mm
これは昨年撮影した、実家のそばの紫陽花。
なぜか我が家の近所には大好きな紫陽花がない!!
「紫陽花を植えよう会」でも発足させたいくらいです(笑