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ベルギー紀行(1)

200704_Belgium02.jpgGWを利用して、久々にヨーロッパ:フランスとベルギーへ行ってきました。
成田からパリのシャルル・ド・ゴール空港まで飛行機で約12時間、そこからTGVに乗り換えて、まずはベルギーのブリュッセルへ向かいます。

ブラジルへ行くことを思えば(リオまでは26時間)、飛行機の座席なんてどんなに狭くても、どんなにフライト時間が長くても全然へっちゃらの私なのですが、今回、初めて乗ったエール・フランスには、期待を裏切られました。
帰りの方がまだ良かったので、ちょうど一番狭いあたりに当たってしまったのだとは思いますが、とにかく座席が窮屈で、椅子の幅はもちろんのこと、前後の幅も「もうこれ以上詰められません」というくらいギリギリなのです。
私のようなやせっぽちの日本人でさえ「狭い」と感じるのですから、大柄な外国人の方々など、気の毒なほどでした。
行きの飛行機は、ほぼ90%がフランス人らしき外国人、しかも満席御礼。
私の前座席の男性客3人は、全員がシートの横幅から体がハミ出していましたし、座ったが最後、そこにハマってしまって身動きをとることもできないようなご様子。
また、そんなにはリクライニングにしたくなくても、前の人がめいっぱい座席を倒したら、自分も倒さないと居る所がなくなってしまいます。しかもその状態でトイレなどに立つと、帰って来た時には、まるでリンボーダンスのように体を反らせないと座れないのです。。
その滑稽さには、自分でも思わず笑ってしまいました。
エコノミーだから仕方がないとはいえ、あの窮屈さはなんとかなりませんかねぇ。。ビジネスとまでは言わないけれど、もうちょっとだけ足元に余裕が欲しいです。


飛行機の話はさておき、夜の9時に成田を出発した飛行機は、日付を超えて朝の5時にパリへ到着しました。早朝だからか、寒い寒い! 
7:30のTGVの出発までは空港駅の待合い室で居眠りをしながら待ち、やっとブリュセル行きに乗り込みます。
列車は、足も伸ばせてとにかく快適です。飛行機の後だと尚更そう感じます。
窓には、どこまでも続く緑の大地が広がり、その様子はまるで北海道の富良野のよう。
車内サービスの紅茶を飲んで見とれているうちに、わずか1時間半ほどでTGVはブリュッセルへ到着しました。スーツケースを受取って、タクシーに乗り、まずはホテルを目指します。

ブリュッセルの駅は普通の都会で、人々はアフリカ系、ヨーロッパ系の方が半々というような感じだったので、「ブラジルのリオみたい」というのが、私の最初の印象でした。
ベルギーの公用語はフランス語とオランダ語です。街のいたるところには両方の言語で案内が書いてあり、私は「全然わからないのがオランダ語、ちょっとわかるのがフランス語」と区別していました。噂には聞いていたけれど、英語の案内などほとんどありません。どっちもわからなかったら、読めないし、読めないと覚えられないし、確認できないし、かなりキツイなぁ...と。
せめて英語くらい書いてくれたらいいのに! まぁ、英語でもわかんないこともたくさんありますけどね。

ホテルは、駅からタクシーで20分ほどのところにある、普通の3つ星ホテルです。
ヨーロッパは物価が高いので、ホテル代もしかり、とても5つ星などには泊れません。せめて4つ星...と思ったものの、今回ホテルと航空券の手配をお願いした旅行代理店の方に
「3つも4つもたいして変わりませんよ。変えるなら、5つにしないと意味がないです」
と言われ、今回は宿に関してはガマンしました。
入口を入ると、小綺麗なビジネスホテルで、受付の人も英語が話せるし、感じも悪くありません。まずは合格、でしょうか。
チェックインにはまだ早いので、荷物だけを預かってもらい、ワクワクしながら街へ繰り出しました。
こういう時、私はいつも、小さい頃に行った海を思い出します。
波の打ち寄せる海が目の前に見えると、居ても立ってもいられないのです。早く泳ぎたくて泳ぎたくてたまならない、駆け出したいような、あの沸き上がる気持ち。きっと、この感情を失ったら、ちょっと精神的にマズいんじゃないかなと、個人的には思っています(笑)。


こうして歩き始めたブリュッセルの街。実はそんなには広くありません。
中心地はグランプラスという広場で、そこを起点にして放射線上に別エリアが広がるような形になっているので、比較的わかりやすく、メトロやトラム、バスを使えば移動も楽でした。
ホテルからグランプラスまでは徒歩で10分ほどだったので、散策しながらブラブラと進みます。
石畳の街並は美しく、建物は古いけれど...??
あれ、入っているテナントはほぼ日本と変わらないんです。ファッションの流行も、ほぼ同じ。
若い女性向けの店が立ち並ぶ道は、なんだか日本に居るような気さえしてしまうくらいです。
うーん、今やモードって完全に世界同時進行なんですね。

そして、とにかくチョコレート屋さんの多いこと! 
あ、レオニダス! あ、ゴディバ! あ、プラネット! あ、ガレー!...というように、街のあちこちに小さなかわいい店構えのチョコレート店が、嘘みたいにあるのです。
多分、東京の美容院くらいの割合で、チョコレ−ト屋さんがあるんじゃないでしょうか。うちの廻りの美容院がすべてチョコレート店だったら、すっごく嬉しいですね、私。
そして、普通の人が普通に生チョコやプラリネを買っているのです。中年の男性が多いのも意外でした。
日本のように「プレゼント」という感じではなく、ごくごく日常の中でパンやコーヒーを買うように、チョコがあるようです。チョコレートが暮らしに浸透しているのだなぁと、つくづく感心してしまいました。値段は日本とほぼ同じですので、決して安くはありませんが、さすがはチョコ消費量世界一だけあります。どのお店もディスプレイが美しく、見ているだけれも楽しいし、お店の入口を一歩入るとチョコレートの香りが漂っていて、なんとも幸せな気分になれるのも、いいですね。


さて、朝9:30のグランプラスはまだ人も少なく、晴天に恵まれたこともあって燦々と日が降り注ぎ、早朝のパリとはうって変わって暑いくらいでした。
広場の廻りに立ち並ぶ市庁舎や王の家、17世紀の建築物の圧倒的な存在感に、まずは感服です。
私は建築のことは詳しくはわかりませんが、ゴシック様式だったり、バロックだったり、とにかく繊細で手が込んでいて、こんなものを一体どうやって作ったんだろうと思わずにはいられません。
孔雀、狐、パン職人、風車、女性など、あちこちに銅像が埋め込まれていたりして、またそれが思ったより小さくてかわいいものが多く、探すのもけっこう楽しいです。さながら日光の眠り猫を見た時の感動です。
小さい頃に読んだ童話の、お姫さまが住んでいた中世の街というものが、現実にあったんだ!と実感するような、決してキラキラ輝いている訳ではなく、いぶし銀のような年季を感じさせる美しさなのですけど、なんとも素敵なのです。昔に訪れたことのあるドイツのローテンブルグもとても可愛らしい街だったけど、その親戚というか(笑)、とどのつまりは、やっぱりヨーロッパって凄い!というヤボな感情へ行き着きました。


広場に立って、グルグルと廻りを見回すのが一段落したところで、カフェでお茶でも飲もうということにしました。
ベルギーといえば、ベルギービール。本当はビールを飲みたい所ですが、アルコールが弱い私は、朝っぱらからとても飲む訳にはいきません。廻りを見渡すとほぼ90%が観光客らしき外国人で、しかも大部分がビールを飲んでいます。
たぶん暑いし、酔いなんてすぐに醒めちゃうんだろうな...とは思いながらも、初日から具合が悪くなっては困ります。替わりに涙を飲んで、ガス入りミネラルウォーターを注文し、一緒にベルギー料理のストゥンプを注文してみました。ストゥンプは、じゃがいもやにんじん、パセリなどの野菜を柔らかく煮て潰したマッシュポテトのようなもので、それに大きなソーセージとベーコンなどが付いてきます。マスタードと一緒に食べると美味で...ホントにビールによく合いそうな料理でした...


小腹も満たせたことだし、次はベルギーの人気者=小便小僧に会いに行くことに。
グランプラスから徒歩5分ほど行くと、普通の街角に突如として人だかりが。小便小僧を見つけるよりも人だかりを目安にした方が早いです。
そのくらい、「えっ、こんなに小さいの??」というほどの銅像なので、誰もいなかったら見落としてしまいそうです。どうしてこの像が有名になったのかは、イマイチ勉強不足で存知上げませんが、この小便小僧君はたくさんの衣装を持っていることでも有名。
私が行った時は残念ながらコスプレしてはいませんでしたが、そのワードローブたるや、670着以上あるそうです。


帰り道には、ワッフルを食べました。
ベルギーのワッフルは、長方形のブリュッセル風ワッフルと、楕円形のリエージュ風ワッフルの2種類があります。日本で「ベルギーワッフル」というと、リエージュの方を指す事が多いですが、それだけではないのです。2つは味が違うので、ベストな食べ方も微妙に違います。
ブリュッセル風は甘くなく、サクサクした食感で、アイスクリームなどと一緒に食べた方が美味。最初はシンプルにパウダーシュガーにしてしまい、あっさりし過ぎでちょっと物足りないくらいだったので、後でハーゲンダッツでアイス&ワッフルを食べたら(ベルギー限定メニュー?)、そっちの方が正解でした。

リエージュ風は、もともと生地に砂糖がかなり練り込まれていて甘く、モチモチした食感です。
そのまま食べても十分美味しく(もちろん、これにチョコやアイスなどを思いきりトッピングもできますが)、食べ歩きにはこちらの方が断然向いています。
どちらも甲乙つけ難いとはいえ、私はリエージュの方が好きかな〜
目の前で焼いてくれるバージョンは、アチアチで本当に幸せな味でした!


さて、散々ウロウロしている間に観光客も着々と増え、グランプラス周辺には、色々な旗を掲げた各国のツアー客御一考様があちこちにお目見えし始めました。
4月後半〜のヨーロッパは、21:00頃まで余裕で明るいので、18:00なんてまだ昼間の15:00くらいの感覚です。
ヨーロッパを旅行するなら、断然春〜夏が良いなと思いました。
私は今までいつも10月頃に来ることが多かったので、その恩恵に授かったことがなかったのです。やっぱり暗くなると色々怖いことも増えてくるだろうし、太陽の力を味方に付けた方が心強いですよね。

夕方、一度ホテルに戻り、荷物を部屋に引き上げます。
さすがにちょっと疲れが出たので少し昼寝(夕寝?)をして、その後、メトロで2つほど行った場所にあるレストランに食事にでかけ、その日は1日を終えました。

翌日、また天気は良好。
今日は、芸術の丘と呼ばれるロワイヤル広場へ。ここは、王立美術館、ベルヴュ博物館、王宮、図書館などの芸術的な建物が多く集まる地域です。
王立美術館は昨年、日本で開催された際に観たので、今回私が行ったのは、楽器博物館。
7000点を超える世界の楽器が、歴史と共に展示されていて、オーディオガイドではその音声を聴くことができます。
ほぼ朝一番で入館すると、何組もの小学校や幼稚園の遠足か社会科見学の子供達が、博物館の人に連れられて説明を受けているのに出会いました。
テルミンのコーナーでは、順番に1人ずつテルミンを演奏させてもらっていて、その音がずっとそのフロア中に響き渡り...(笑)確かに、子供は好きそうです。

展示物はピアノの前身から、ギターの原形?と思われるもの、美しいハープシコードなど、けっこう見ごたえがあり、とても楽しめました。
しかも、この建物の最上階にはテラス席を備えた、とても洒落たレストランがあり、そこで食事ができるのです。このレストランは有名で、昼食を取ることだけに訪れる人も多く、テラス席はすでに予約でいっぱい。12時にはかなり広い店内があっという間に満席になりました。味も雰囲気も良く、オススメです。
1898年にデパートとして建設されたという、この博物館の建物自体もアールヌーヴォー建築で、内外共に古き良きヨーロッパの雰囲気を醸し出しています。


午後はさらに南に下り、ルイーズ広場へ。ここはちょっとハイソなショッピングエリアで、ウィンドーショッピングをした後、道すがらにスーパーマーケットを物色。
私は、海外のスーパーが大好きなのです。その国の暮らしがわかるし、雑貨も食品もかわいいものがいっぱい! 見ているだけでも楽しいんですよね。
そしてさらに、ベルギーのスーパーでは、驚くことが2つありました。

まず1つ。パンが大きい!!
その大きさや、タダモノではありません。丸いものは大玉スイカくらい、バケットだって、縦も横も通常の2倍はあります。そのオバケパンは、専用の大きな透明のボックスにボンボンと無造作入れられてというか、放り込まれていていて、市民はその大きなタンスのような引き出しを開けて、よっこらしょっとパンを取り出し、レジへ持っていくというしくみになっていました。
こんな大きなパンを、一体何日で、何人で食べるのでしょう??
ホテルの朝食で出たパンも、確かに大きかったですが...
そういえば薄切くスライスしてあって、食べ易かったし、美味だったし、まぁ日本の主食のお米であることを考えれば、これだけのボリュームのパンでも別に問題はないのかもしれないけど...
でも、あのパンケースとパンと、その種類は圧巻でした。

そして2つ目のびっくりは、マナーです。
スーパーの商品を、購入前に食べながら買い物をしている人を何人も見かけたのです。
断っておきますが、これは子供ではありません。れっきとした大人です。
もちろん子供もいましたが、若い人もいたし、おばさんもいたし、普通の人(女性が多かった)が、ポテトチップスやチョコやジュースを食べたり飲んだりしながらスーパーを廻り、最後に会計をする時にそれも一緒にカゴに入れて、清算をしているのです。
これって、ベルギーでは普通ですか...???
4軒ほどのスーパー全部で、食べながら買い物をしている人に遭遇しましたが、店員も別に咎めたりもしていませんでしたので、問題ないのかなぁ。

さて、今夜はイロ・サクレ地区のレストランで夕食です。
イロ・サクレ地区とは、狭い路地裏のような道の両端にズラーッとレストランが並ぶ地区で、イタリアン、ベルギー、フレンチなどあらゆる料理のお店が軒を連ねるいわば”レストラン横丁”。
呼び込みも激しく、ボッタクリ店や当たり外れもあるようなので、どこでも良いという訳にはいきませんが、歩いているとあちこちから良い匂いが漂ってきて、ちょっとアジアンチックな感じもします。
今回は、ムール貝専門店の「シェ・レオン」へ。
私は「ベルギーへ行こう」と思うまで全然知らなかったのですが、ベルギーはムール貝が有名なのだそうで、どのレストランでも、釜(あえて鍋ではなく、釜と書きます)で10人分?と思うほどの量のムール貝の白ワイン蒸しを食べている人を見かけます。確かに、あの量であの値段は安いのですが、さすがに食べ切れないので、皿で出て来る一番小さいものをオーダー。
うんうん、美味しい! 日本で食べるムール貝って、オレンジ色で、小さく縮まっていて、固くて...というイメージ(私が良い物を食べていなかったからかもしれませんが)じゃありませんか?
ベルギーのムール貝は、白くて、ふっくらしていて、まるであさりの酒蒸しのようなのです。いくらでもいけそう! これもビールに合いそう...うぅぅ
ムール貝でお腹いっぱいになって、この日は終了。
さて、明日は電車でちょっと遠出をします!

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コメント

こんばんは、akiko様。

楽しく読ませて頂きました。(^^♪

飛行機は大変でしたね、私ならとても無理です。(^^ゞ
そしてTGVは乗り心地はどうでしたか?
かなりのスピードを出していると思いますが。
チョコレートが一般的に売られているんですね。
甘党の私には嬉しい街ですね。
中年男性でも甘いものは好きですよ(笑)

>いぶし銀のような年季を感じさせる美しさなのですけど
やはり石の文化である証でしょね。

ムール貝の白ワイン蒸は、良いムール貝を使うとほんとうに美味しいですよ。(^^♪
最近日本でも良いムール貝が輸入されるようになりました。

ではまた。

TGVは、日本の新幹線というか、ロマンスカーみたいな感じです。
ずいぶん前にも、ドイツからパリへの移動にTGVを使ったことがありますが、その頃とあまり変わっていないように思いました。

イタリアの国鉄?だったかな、は、駅にちゃんとした案内表示板も無く、何の合図も無く、突然走り出したりしたのですが(あやうく乗り損ねるところだったことがあります)、TGVは案内もきちんとしているし、快適ですよ。


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