« 冬支度 | メイン | クリスマス仕様 »

のだめ完読

何気なく観たテレビドラマが面白いな〜と思っていたら、友人曰く「漫画はもっと面白いよ」!
それから、あっという間に既刊16巻を読んでしまいました。
音大卒の友人からすると、「あれはクラシックじゃない」そうですが、クラシックに疎い私には、ちょうどよいかもしれません(^^)。

案の定、読んでいる間にオーケストラがやってみたくなりました。
おそらく、多くの音楽教室には、影響されて習いに来る方々が殺到していると思われます。
しかしながら何の楽器をやるにも、それなりの年月と努力と良き師承が必要な事がわかっているだけに、
今は何にも手が出せないことも、よくわかります。
そこで、私にとっては一番手っとり早いのはピアノだ!ということで、
急にピアノがちゃんと弾きたくなって、ヴァイオリンを習いに行く代わりに、ドビュッシーの譜面を買ってきました。

私は4歳から17歳までピアノを習っていましたが、当時は特別楽しいとも思わず、だからといって厭でもなく、
「せっかくちょっとは弾けるから、弾く」くらいの感覚で、練習も全然真面目にやっていませんでした。
私が師事していた先生は、
「音源を聴くと、譜面を見なくなる」という理由で、一切他の人の演奏の音源を聴かせてくれない先生だったので、
お手本となる演奏がまったくわからないまま、気がつけば譜面を「ただひたすら追って弾く」というスタイルになってしまいました。
本当は、
   譜面を正しく読んで→理解して→自分の演奏する
という流れをレッスンしてくれていたのだと、今でこそ思いますが、
当時は先生のそんな意志を汲み取れるほどの力量もなく、音に込められた作曲者の想いなんぞ露ほども考えずに弾いていたのでした。

NHKでやっている「スーパー ピアノレッスン」という番組を観ていると、その曲のその音がどういうことを表現しているか、
作曲者はどういう心理状況のもとでこの曲を書いたか、ということを、先生はよく生徒に説明しています。
背景を知るのはとっても大事なこと(私にはピアノレッスンでの、そういう記憶がない ^^;)なので、
いつも「なるほどな〜」と、関心しながら観ています。

興味が持てなければ面白くないし、弾いていてもすぐに飽きて、結局は練習時間も少なくなり、
挙げ句はちっとも上達せず、「クラシックピアノの曲は、あまり好きじゃない」と、勝手に思って大人になりました。

でも、それは違ったのです。
子供の頃から好きなピアノ曲はあったのですが、それが何というジャンルのものなのかが、わからなかったし、知ろうともしなかった。
今の自分は、自分の責任において存在しています(苦笑)。
もしかしたら、ある程度弾けるようになった頃に、ラヴェルやドビュッシーなどのフランス近現代音楽に触れる機会があったら、ピアノにもっと真剣に向き合っていたかも...しれません。
(厳密に言うと、このあたりはもうクラシックではないので、微妙ですが。。でも、リストやショパンは、もっと聴けばよかったかも)

ラヴェル、ドビュッシーは、私が敬愛するアントニオ・カルロス・ジョビンが、大いに影響を受けた作曲家です。
ボサノバに傾倒してからそれを知り、私は初めてちゃんと彼らの曲を聴きました。
「ボサノバはジャズとサンバを合わせたもの」なんていうのは大間違いで、ブラジル音楽はヨーロッパからの影響を濃く受けています。
ボサノバ時代のジョビンの作品には、その片鱗が伺える作品が多々あるのです。
あらためて譜面を観ると、ジョビンの譜面は、それらの譜面に良く似ているんですよ。
シンコペーションや3連が続くメロディ、和音の構成が、とても私好みです。


ピアノ曲に関しては、もう1つ好きなのがラグタイムです。
これはジャズが生まれるもっと前にスコット・ジョプリンという人が作ったピアノ曲のジャンルで、
4分の2拍子で、シンコペーションを多用するという、ボサノバと同じ特徴があります。
なぜ子供がラグタイムなんかを知っていたのか?というと、実はこれ、父親の影響です。
うちの父は、昔いつも休みの日に吹き替えのとっても古くてつまらない西部劇映画をテレビ観ていて、
なぜかそこに出て来る酒場のシーンで、必ず誰かが古いピアノでラグタイムを弾いていました。
それがとても印象に残っていて、
「あのピアノで弾いている曲は、何ていう曲なんだろう...」といつも思いながら、誰に言ってもわかってはもらえず、
長年、探し求めて来ました。
それが昨年、ヤマハのピアノ売り場を通りがかった時に、偶然にも自動演奏ピアノが弾いていたのです。
すぐに定員さんにピアノに差してあるデータカードみたいなやつを抜いてもらってタイトルを教えてもらい、
その場で譜面を買うことができました。タイトルがわかれば、CDも見つかります。
こうしてやっと探し当てましたが、正統な演奏は結構クラシックっぽく、私が西部劇映画で聴いていたラグタイムは、
良く言えば、かなりクダけた(悪くいえば乱暴な)演奏だったこともわかりました。
皆さんが知っているとすれば、チャップリン映画のBGM、そして某テレビ局でやっている「1万円で1カ月生活」番組での
料理のシーンで使われているBGM=あれがラグタイムです。


「のだめカンタービレ」を読んでいると、自分もすっごい何でもできる格好良いスーパー彼氏がいて、
クラシック界で破天荒に活躍しているような気がして、ひたすら楽しいのですが、1つだけ大変共感して切なかったことがあります。
主人公のだめや黒木くんが、フランス留学の最初の頃に味わった、
「他の人はみんなわかるのに、自分はわからない」「馴染めない」という、あの異国での境遇です。
自分がブラジルの大学の講座に通った時のことを、にわかに思い出しました。
フランス人も、あんなに約束守らなくていい加減?!
私はブラジル生活で、だいぶ慣れましたケド...

早く17巻が出ないかな〜

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://perola.sakura.ne.jp/blog/mt-tb.cgi/61

コメント

私もあれから全巻読破いたしました。おもしろいですよね〜。
第2の舞台がパリなのは少女漫画の王道でしょうか。
アニメ化もされるそうで、今後が楽しみですね(^^)。

そうでしたか! アニメ化は「NANA」の流れと一緒ですね。
確かにTVだと、時間の関係でストーリーを変えざるをえないですしね(今回のドラマは上手く出来てるけど!)。。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)