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「ジョアン・ジルベルトを探して」

8/24から公開されている映画「ジョアン・ジルベルトを探して」を観て来ました。

この映画は、ドイツ人ライターのマーク・フィッシャーが
ジョアン・ジルベルトに会うためブラジルに出向いた顛末を描いた本「Hó-ba-la-la」を原作としています。
この作品に共感したフランス出身の映画監督ジョルジ・ガショが、マークの足取りを辿るドキュメンタリーです。

ジョアンを追いかけた人を追いかける...という、ちょっと風変わりな設定なこともあり、
ジョアンの生い立ちやボサノバの歴史など、詳細はあまり説明されないので、
「ボサノバって何?」「ジョアンってどんな人?」という感覚で行くと、少々戸惑うかもしれません。
正直、マニアックなジョアン・ファン向けだと感じました。

映画館にいらっしゃっている方でさえ、Vivo Sonhando(夢見る人)な方も多く...(^^;
私の左隣のおじさまは、後半から腕組みをしたまま下を向いて動かなくなり、
時々ハッと我に帰るも睡魔には勝てず。
右隣のご夫婦は、旦那様は前半から大きな寝息、
奥様は何とか頑張りながらも、後半はあくびが止まらず...といったご様子でした。
とはいえ、映画館はなかなか盛況でしたよ!


個人的には、マルコス・ヴァーリのインタビューが非常に面白かったです。
ジョアンは彼の名曲「Samba de verão」を確か録音していないし、
私が観た東京公演12回+サンパウロ公演1回=計13回のライブの中では歌ったこともなかったので、
あまりマルコスの曲は好みじゃないのかなとずっと思っていたのですが、
そんなこと、全然なかったんですね!!
とてもジョアンらしいエピソードでした。

そして、劇中に流れるジョアン・ドナートの音楽も良かった。
ドナートはジョアンととても仲が良かったそうですが、
「Minha Saudade」を作った時の話や、ミウシャとの演奏も素敵でした。


スクリーンいっぱいに広がるリオの景色に、サウダージで胸がいっぱいになった111分。
ジョアンには会えないのだろうと分かっていながらも、
どこかでやっぱり少し期待してしまうのはファンとしては仕方ないですね。
みなさんは、ラストのシーンをどんな風に解釈されたでしょうか。


「ジョアン・ジルベルトを探して」
監督;ジョルジ・ガショ 2018年
東京は、新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマで上映中。

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