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雨に濡れても

2011-05-31-1.jpg関東も早い梅雨入りをして、そろそろ1週間。
雨は憂鬱...なんて思っているけれど、
実は、最初に大好きになった曲は雨の歌「Raindrops Keep Fallin' On My Head」でした。

邦題は「雨に濡れても」。
作曲Burt Bacharach、作詞はHal David、
1969年に公開された映画「明日に向かって撃て」の挿入歌として、B.J.Thomasが歌っています。


最初の記憶は、たしか4歳くらいだったかと思います。
当時は下落合に住んでいて、よく家族で新宿に買い物に行っていたのですが、
その時に、街中の大通りでこの曲が流れていたのです。
雨の日曜日、新宿の街並、雑踏、物憂気な白い空...
両親と手を繋いで歩きながら見るそんな映像と一緒に、
「Raindrops Keep Fallin' On My Head」のメロディーが強烈に記憶に残りました。


しかしながらなんせ子供だったので、
この曲が「何という曲で誰が作ったのか」「どんな事を歌っているのか」は、まったくわからず...
ネットもなかった時代、人に聞いても「雨に唄えば」(こちらも映画音楽)と間違えられたりして、
いや、この曲じゃない! ほら、こんな感じの...とメロディを歌ってみせたりして、
やっとつきとめたのは、高校生になってからでした。

自分の中での曲のイメージが、出来上がりすぎてしまっていて、
実際に映画でこの曲を聴いた時には、
なんだか意外な場面で使われているな〜と感じたものです(笑)。


幼児の心を掴んで放さなかったバカラックの音楽。
とはいっても、決して幼少期の思い出の曲なんかじゃなくて、
音楽の原点として、心の中に深く根ざした最初の1曲なのです。

ボサノバを好きになるよりもっと前から心魅かれた彼のメロディーは、
今でも、いつでも、聴くと瞬時にそこへ連れて行ってくれます。

それは、「楽しい」「嬉しい」「頑張ろう」でも「悲しい」「寂しい」でも「懐かしい」でもなく...
私の愛する音楽とは、心の奥底にさざめく波に同調するもの なのかもしれません。

そしてこの曲は、歌詞もとても素敵です。
  人生の中では、良い時、良くない時があるけれど、
  うまくいかない時だって、そんなには長く続かない
  自由である限り 何も心配はない...
そんな事を歌っています。

今年の梅雨も、大好きな紫陽花とバカラックとボサノバと共に、
しっとりと過ごしたいと思います。


「Raindrops Keep Fallin' On My Head」B.J.Thomas
(Burt Bacharach / Hal David)1969年 〜映画「明日に向かって撃て!」より

【Raindrops keep falling on my head】

Raindrops keep falling on my head
and just like the guy whose feet are too big for his bed
nothing seems to fit, those
Raindrops are falling on my head
they keep falling

So I just did me some talking to the sun
and I said I didn't like the way
he got things done
sleeping on the job, those
Raindrops are falling on my head
they keep falling

But there's one thing I know
the blues they send to meet me
won't defeat me
I won't be long till happiness step up to greet me

Raindrops keep falling on my head
but doesn't mean my eyes will soon
be turning red
Crying's not for me, 'cause
I'm never gonna stop the rain by complaining
Because I'm free
nothing's worrying me


「雨に濡れても」

雨粒が私に降り続く
大きすぎて足がベッドからはみ出している男みたいに
何もかもしっくり来ない
雨が降り続く

だから私は 太陽にちょっと言ってやった
私はあなたのような
仕事を怠けたやり方は好きじゃないと
雨が私の頭上に降り注ぐ

でも1つだけわかっていることがある
彼らが私に送ってくる憂鬱に私は屈しない
幸せが私に挨拶しにやって来るのに
そんなに時間はかからない

雨粒が頭上に降り続く
でも私の目がすぐに赤くなるわけじゃない
泣くなんて私らしくない
私が文句を言ったからといって
雨が止むわけじゃないから

心配することは何もない
なぜなら 私は自由だから


[photo data]
Olympus E-410 ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.5
ISO400 F3.5 1/400 +1.0ev 54mm
香りはしないのに、匂い立つような美しさ。
紫陽花は、雨の日の太陽です〜♪

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コメント

私も、ボサノバ以前にバカラックを好きでした。バカラックがボサノバを創った、と誤報したのはディオンヌ・ワーウィックでしたが、それも無理もないかな、と言う位、両者には親和性があると思います。中学時代、映画音楽ファンだった私は、親に映画音楽全集というミュージックテーブを買って貰って聴いていました。「雨に濡れても」は西部劇の音楽なのに、「荒野の七人」とも「夕陽のガンマン」ともまるで違っていて、とにかくウキウキするようなポップ感がたまりませんでした。

少しだけピアノを弾けたので、バカラックの譜面集を買ってきて弾いていました。聴く以前に弾いていた曲も多かったです。Look Of Loveとか、Alfieとかです。ビートルズとバカラックが、中学生の私の音楽観を創りあげました。

以降色々あって今日に至る、のですが、音楽好きの根底にバカラックの高度な作曲技法があると思っています。

最近の本だと「ルグラン、ジョビン、バカラック」なんていうタイトルの本は物凄く共感しました。

ボクも Burt Bacharach の曲が好きだったです。でも大分前で40歳代中頃、即ち24・5年前になります。もちろん「Raindrops Keep Fallin' On My Head...」も良かったですが、ボクは「This Guy's In Love With You...」の曲が気に入ってCD(Code: D32Y3508)を買いました。今、久し振りに(多分10年振り位)そのCDを聴きながらこのコメントを記しています。

それにしても「紫陽花は、雨の日の太陽です~♪」って、なんて素敵な云い方なのでしょう!6月19日のボサノバ・ソロコンサート、楽しみにしております。

>apresmidi2011さま
本当に「雨に濡れても」は、
西部劇映画の挿入歌とは思えない洗練されたメロディですよね。
これからもずっと親しまれて行って欲しいと思います!

>鋭理庵さま
バカラックは、他にも素敵な曲をたくさん書いてますよね。
10年くらい前に来日公演をされた時、初めて生でご本人の演奏を聴けたのがとても嬉しかったです。

紫陽花って、雨の日でもそこだけパッと明るいような感じがしませんか?
それでは、6/19ライブでお待ちしています。

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