« FELIZ NATAL | メイン | 新春ライブ・インフォメーション »

ヴァイオリンの調べ

20091224.jpgヴァイオリニスト;千住真理子さんのクリスマス・コンサートへ行ってきました。
音そのものを充分に満喫できそうな、ヴァイオリンとピアノだけのシンプルな編成のライブです。

ヴァイオリンのクラシック演奏を「心して聴く」のは、たぶん初めてです。
私の通っていた中学・高校には「視聴覚教室」なるイベントが年に何度かあって、オーケストラ演奏や、ラテン音楽、歌舞伎や三味線などの伝統芸能に触れる機会が結構あったのですが、子供の頃の私はまーったくそんな事に興味がなく...(苦笑)。
今にして思えば、本当にもったいない事ですが。

さて、いざ客席の灯が落とされコンサートが始まると、クリスマスらしい鮮やかなグリーンのドレスを着た千住さんが、颯爽と登場。
1曲目が演奏され始めて、まず最初に思ったのは、ヴァイオリンの音色には、倍音がとても多いのだなぁ〜ということ。
そんな事はわかり切っていたことではありますが、ただの「綺麗な音」ではなくて、
様々な音色が混じりあって1つの音を構成しているということが、生で聴くと、ありありと感じられました。

そして、ヴァイオリンの音域は想像以上に広く、
  あんなに小さいのに、どうしてあんなに大きな音が出るのだろう??
  どうしてあんなに表情豊かな音色になるのだろう??
  どうしてあんなに楽器の形が美しいのだろう??  
...などなど、感動がいっぱいでした。

しかし、ヴァイオリンだけは、やってみたいというよりは、聴いていたい楽器です。
千住さんが12才の時に
「曲に恋して、必死で練習した」
というヴィターリの「シャコンヌ」という曲は、
とても12才が手に負えるとは思えないような難曲なのに、いや〜 すごい。
そういう人だからこそ、弾きこなせるのですね。
そして、この素晴らしい演奏の影に、並々ならぬ努力があるのかと思うと...
いやはや、もう平伏すしかありません。
全身全霊で奏でる音は、迫力に満ちていました。

時折、MCを交えながら進められたライブは、あっという間の2時間でした。
曲にまつわるお話も聞けると、理解も深まって、尚良し!ですね。


そして、コンサートの後にCDや譜面を購入した人へのサイン会もあったのですが、
興奮覚めやらぬまま客席ホールの扉を出た途端、
このサイン会のために楽屋から出ていらした千住さんご本人と
なんと偶然、通路でバッタリ鉢合わせになったのです。
目が合ったので、私は思わず
 
 「どうもありがとうございました!!」

と大声で言って、お辞儀してしましました(笑)。
素敵でした!とか、感動しました!とか、お身体気をつけてください!とか
もっと何か気の利いた事を言えれば良かったのに、
情けないことに胸がいっぱいで、それしか言うことできなかったのです。。
でも、これが咄嗟に出た私の正直な気持ちだったのでしょう。
  素敵な演奏をありがとうございました。
千住さんはニッコリ笑って、会釈してくださいました。


今回演奏してくださった曲は、クラシック・ド素人の私でも全部知っているような
「G線上のアリア」「カノン」「月の光」「アヴェ・マリア」「ツィゴイネルワイゼン」
などの超メジャーな曲ばかり。
きっとヴァイオリニストとしては、これらは寝てても弾けるくらいの
「もう弾き飽きて、弾きたくない!」
ような曲ばかりなのだと思いますが、
そういう曲が、私のような一般市民にとっては、とても嬉しいのですよね。
ボサノバだったら、イパネマの娘、波、サマーサンバ、おいしい水...みたいな感じかな。
私も時々、「そんな有名な曲は、あえてやらない!」を、通したくなることがあるのですけど、
自分が聴衆の立場になると、やっぱり有名な曲を聴きたいものです。。。
...ということで、最近は必ず1ステージに1曲は「超スタンダード」を入れるようにしています。
クラシック界でも、難曲や挑戦曲は、
それを受け入れてくれる”マニアな聴衆のコンサート”の時に、弾くのだとか。
色々な状況に合わせた選曲というのも、プロの腕の魅せどころなのだと、あらためて思いました。

そして、
「音楽療法というものがあるように、
 マイクなしの生楽器の音色は、人の耳に聴こえない高音や低音までをも含んでいて、
 それは、たとえ聴こえなくても体ではちゃんと感じられるので、
 その波動が心身にとても良い影響を与えるのです」
と千住さんがおっしゃっていた事も、あらためて実感しました。

考えてみると、多少調子が悪い時でも、自分のライブやリハの後は、すっかり元気になってるんですよね。
自分で自分を癒すというのも、おめでたい奴です(笑
今回のコンサートの後はもちろん、頭がすっきりして、清清しい気分になりました。


自分では演奏できない楽器やジャンルも、
ぜひまた聴きに行きたいなと思った夜でした。


[photo data]
Olympus E-410 ZUIKO DIGITAL ED25mm F2.8
ISO800 F2.8 1/40 +1.3 25mm
念願のカーナビを買ったので、試験運転でちょっと車で遠出して、
クリスマスケーキを買いました。
今年も良い1年だったことに、感謝です。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://perola.sakura.ne.jp/blog/mt-tb.cgi/234

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)