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しゃばけ

20091104-2.jpgさて、昨日のブログの続きを。
そもそも何の本を買いに本屋へ行ったのか?と言うと...
「しゃばけ/畠中 恵 著」の第5巻「うそうそ」を求めに行ったのです。

この本は、かなり前から書店で何度も見かけては、
 
   時代小説だしな〜
   5巻まであるしな〜
   読むの大変そうだしな〜

などと色々思って手を出せずにいたのでした。
でも客観的に考えても、こんなにシリーズが出てるということは、たぶん面白いのだろうとずっと気になっていて、試しに1巻目「しゃばけ」を読んでみたのです。
そうしたら、あっという間に引き込まれました。
情景描写の比喩が豊富かつ丁寧で、表現の彩りが豊かな作風は、村上春樹氏と共通する感があり、ここ最近、久々に出会った面白い本です!

  江戸一の繁華街に店を構える長崎屋は、廻船問屋 兼 薬種問屋。
  そこの跡取り息子である病弱な若旦那;一太郎と、
  屋敷に日々現れる様々な妖(あやかし=妖怪)が、共に繰り広げる捕物帳ファンタジーです。

時代小説を面白いと思うなんて、自分で自分にビックリしたのですが、
よく考えてみると、私は古典落語(落語と言っても、聴く落語ではなくて、活字で読むのが好き)が大好きで、これも確か7巻くらいあったのをすぐに全て読破したし、ハマる素質はあったのかなと思いました。
ちなみに、古典落語で一番好きな話は「長家の花見」。
貧乏な長家住まいの連中が、花見に行きたいけどお金がない。でも桜は見たい。
ならば、たくわんのお新香を卵焼きに、番茶を酒にと見立てて「そのつもりになって」花見をするというお話で、漫才コントの原形みたいなものなのですが、そのやりとりがホント可笑しいんです。
落語にも色々なジャンルがありますが、庶民生活を垣間見ることのできる長家話が、私はけっこうお気に入りでした。


そうそう、「しゃばけ」は、どうも昨年、某民放でTVドラマ化もされたようですが??
私は普段、テレビはあまり観ないからか、全然知りませんでした。
さして話題にもならなかった(気がする)という事は、テレビは面白くなかったのかな(笑
でも、本は楽しいです。
手代(てだい)、下手人(げしゅにん)など、簡単なのに読めない漢字が多々あったりするけれど、
忘れた頃に何度か振り仮名がふってあるので、じきに覚えます。

様々な妖(あやかし)たちにも、なぜかとても親近感を覚えます。
時々天井や床がバシッ、ミシッと鳴るのは、外国では「ラップ現象」と言いますが、
これは鳴屋(やなり)というお茶目な小鬼の妖怪の声なのだとか。
日本の家には通常「鳴屋」が何匹も棲みついていて、
人間には彼らの姿は見えないけれど、声は聴こえるのだそうです。
そう思ったら、なんか怖くなくなったのは、私が日本人だからでしょうか(笑

1巻と5巻は長篇で、2巻「ぬしさまへ」3巻「ねこのばば」4巻「おまけのこ」は短編集です。
(ちなみに、文庫本化しているのが5巻までで、単行本は8巻まで出ています)
2巻以降には、話の最初にあらすじが盛り込まれているので、途中からで読み始められますよ。
「おまけのこ」に収録されている『こわい』という短編は、現代人にも通じる深みがあって考えさせられました。
楽しいだけじゃなく、しみじみもできる面白い本をお探しの方は、ぜひ。

[photo data]
Olympus E-410 ZUIKO DIGITAL ED25mm F2.8
ISO400 F4.5 1/60 +1.0 25mm
1巻「しゃばけ」は人に貸し中なので、2〜5巻の4冊(新潮文庫)。
読みたいのは山々なれど、もったいなくて「うそうそ」は、まだ我慢。。
土曜日のライブの後で、ゆっくり楽しもうっと!!

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