大きな手
私は手が大きい方です。
同じくらいの女性もわりといらっしゃいますが、これ以上大きいという人には、ほとんど会ったことがありません...
具体的には、左右の手とも、広げると親指の先から小指の先まで直線で20センチ。
これはピアノの鍵盤でいうと、ドからオクタ−ブ上のドを越えて、その隣のレまで余裕で届く長さです。
さすがにド〜ミは無理ですが、たぶん身長170センチ前後の平均的な男性の手ぐらいはあるんじゃないでしょうか。
なので、ギターを弾いているのを観たお客さまからも、
「手、大きいですね〜」
と、よく驚かれることがあります。
本当は小さい手の方が女性としては可愛いんだろうなと思いますが、とりあえずは楽器演奏に有利ではあるので、私の場合は両親には感謝しましょう(笑)。
でも、手が大きいからといって、上手に弾けるとは限らないのが難しいところ!
要は使い方の問題なので、大きけりゃ良いというものでもないのです。
よって、ギターを始めようかな...と考えている女性から、
「手が小さいんですが、弾けるでしょうか」
と聞かれると、私はいつも
「手の大きさは、関係ないです」
と答えています。
デカ手の私が言うのは説得力がない?!かもしれませんが...
うーん、でも手の小さな人で、ギターが素晴らしく上手な方々はたくさんいらっしゃいますし、極端に小さい場合は別ですが、おそらくピアノでオクターブが届けば(これで、だいたい16センチ)、ボサノバを弾くのには問題ないと思います。
ジャズピアニストの綾戸智恵さんは、手が小さくてピアノのオクターブが届かないのだそうです。
それでクラシックを諦めて、ジャズへ転向したそうですが、そんなことは微塵も感じさせないほどの見事な弾きっぷりですよね。
ギターも、リュート時代の曲や、もともとピアノ曲だったものをギター用にアレンジしたクラシック曲は難しいので、残念ながら突き詰めるところ手が大きくないと弾きにくい...という壁にぶち当たることはあるかもしれません。
でも、ボサノバはジャズと同じように、自分でバッキングをアレンジすることができるのです!
どうにもこうにも届かない!ところは、届くようにコードを変更すればOK。
しかしそれよりも、ちゃんと練習すれば、ボサで手が届かないコードというのは、たぶん...無いです。
だから、女性の小さめの手でも大丈夫なんですよ。
他にも、「握力がないから」という理由を挙げる方も時々いらっしゃるのですが、基本的にギターに握力も関係ありません。
男性が、独学でなんとかギターを弾いてしまう方が多いのは、大きな手と豊富な握力の為せる業だと私は思っていますが、それに頼ってしまうことが無理を重ねることに繋がって、手を傷めるなどの問題を招くことも時にはあります。
小さい手の方は、頼るものがない分、手や指の使い方を工夫すれば良いのです。
そして、それが結果的に上達への近道になったりするので、一概に手の大きさの良し悪しとは言えないな〜と思います。
体が大きい方がよく声が出るとか、若くないと上達しないとか、そんなの関係ないっていうのは気休めだとか...(笑)
色々な見解があるかとは思います。
でも、結局は「自らに制約を設けない人が上手くなる」のではないでしょうか。
自分ではどうすることもできない体型や年齢を理由にあきらめてしまうのは、もったいないですよね。
私が今まで師事したり、現在も師事している音楽の女性師匠たちは、私よりも小柄だったり、2まわり近く小さな手の方ばかりですが、私なんぞが一生かかっても到達できないような素晴らしい技術を持っていらっしゃいます。
そんな師匠を前にして、「できない」なんて口が裂けても言えない(笑)!
ということで、このデカ手を存分に生かせるように、しっかり精進したいと思うのでした。