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2007年06月30日

ベルギー紀行(2)

2007_06_30.jpg蒸し暑い日が続きますね。今日、うちは今年初めてクーラーをつけました。
さて、すっかり更新が遅くなってしまいましたが、旅行記・後半編です。


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ブリュッセル滞在3日目に、ブルージュへ日帰り観光に出かけました。
「橋」という意味のあるブルージュは、その名の通り水の都です。
この町を流れる川には50以上の橋がかかり、旧市街は世界遺産にも登録されています。
その昔、13〜14世紀には中世ヨーロッパの商業の要として栄えましたが、15世紀に入ってから水路が沈泥のために閉鎖され、都市としての機能は衰退の一途を辿ることに...
しかし、そのおかげで当時の面影はそのままに、その美しい姿を現在に残すことができたそうです。


ブルージュは、ブリュッセルから電車(IC)で約50分。
ブリュッセル中央駅から、いわば特急電車のようなものに乗れば、簡単に行くことができます。
とはいえ、初めて乗る電車なので、行く時に実は間違えてグリーン車のような指定席車両に乗ってしまったのです。
...私の切符は自由席切符。車掌さんが来たらマズイ。追加料金を払わされるかもしれません。
しかし、行きの電車は観光に向かう外国人でいっぱいで、特に自由席車両は満席+立っている人でかなりの混雑模様です。移動するにも、とてもそこへ紛れこむ余裕はなさそう...
仕方がないので、
「この席の切符の人が来たら、立とう」
と思い、私は空いている座席にちゃっかり座らせてもらうことにしました。
するとそのうち、自由席車両から流れてきた人々が指定席車両にも溢れはじめ...
ざわめきと渾沌の中で列車が発車すると、だんだん
「空いているなら、座っちゃおうか?」
という雰囲気になり、みんな次々と座り始めたのです。こうなれば、しめたもの。
仲間が増えてちょっと安心かも!

結局、私の座っていた指定席には誰も来る予定はなかったようで、そのままブルージュまで座ってしまいました。
途中、ブルージュに着く少し前に車掌さんが来たのですが、あまりの混雑に車両内を通過することができないと思ったのか、私の乗っていた車両前であきらめて引き返して行ったのです。
よって、私の車両の乗客は、ほぼ100%が指定席にタダ乗りしてしまいました(^^;)

実は、このブルージュに向かう電車自体も、切符は窓口で買ったきり、入口の改札もなければ降りる時の改札もなく、まったくノーチェックなのです。極端な話、切符自体を持っていなくてもグリーン車に乗れてしまうようなもの!
ちなみにブリュッセルの地下鉄もバスもかなりアバウトで、一応は乗り場の入口に回数券を通す機械があるのですが、やはり何のチェックもない(時々、有人改札がありますが)ので、やろうと思えば全部タダ乗りできてしまいます。実際、あまり機械に券を通している人を見かけなかったのですが、そんなんで良いのでしょうかね?? 


しかし、その反面、トイレのチェックはとても厳しく、お金がないと絶対に入れません。
だいたい0.5ユーロ(80円くらい)なので大した金額ではありませんが、カフェでもレストランでも、駅の公衆トイレでも、どこでも必ずおばさんがいて、徴収されます。
あるいはトイレの個室の扉にロッカーのコイン投入口のようなものがついていて、そこにお金を入れなければ扉が開かないというシステムもありました。
どこで厳しくするか?はお国柄なのでしょうかねぇ...

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さて、ブルージュ駅に到着すると、まずはバスで中心部のマルクト広場に向かいます。
同じベルギーでも、ブリュッセルとはかなり街並が違う...
とにかく、可愛い! 
三角屋根の独特な建物や、水辺のプチホテルなど、何でもかんでもが、とにかく可愛らしいのです。
あまりにも陳腐な表現で恐縮ですが、「ディズニーシーみたい!」というのが一番わかっていただけるかと思います(TDSは、イタリアがモデルですが)。
建物や街並の美しさはもちろんのこと、川辺の木々も、水面を泳ぐ白鳥も、鴨も、すべてが本物!
街には馬が歩き、塀や家の窓には犬や猫が佇む、まさに”お伽の国”。
しかし、建物には普通に人が住んでいて、(おそらく)観光業が主流なのでしょうけど、普通に生活を送っているなんて...なんとも羨ましい限りです。
毎日どんな物を見て、感じて暮らすかというのは、その人の人生(=人格)に影響を与えるに違いないでしょうから、国民性が違うのも、当たり前ですね。
でも、たとえ一生に一度でも、こういう街が同じ地球上に存在するのだとわかるだけでも、何かが確実に違ってくるのではと思ってしまいました。


さて、ブルージュの観光の目玉は、なんといっても運河めぐりの観光ガイド付きクルーズです。
一度に約30人ほど乗れる小型ボートが3カ所から発着していて(どれも内容は大差ないようです)約30分のツアーを行っています。
昼食を取ると、私も早速ボート乗り場へ。
ボートはたくさんの小さな橋をくぐり抜け、真っ青な空の下に広がるブル−ジュの街をめぐります。顔に当たる風も心地よく、しばし都会の喧噪を忘れ、その風景に見とれるのでした。
川の水は決して綺麗に澄んでいるという訳ではありませんが、変な臭いなどはしませんし、かえって、その深緑の水色や、建物に生えた苔の青さが雰囲気を醸し出していて、良い感じでしたよ。


それと平行して街の中を巡るのが、馬車ツアーです。
走っている馬を間近で見るなんて、リオで行った競馬以来なので、それだけで興奮してしまいます。
事前にガイドブックで見て、馬車ツアーがあるのは知っていたけれど「まぁ乗らなくてもいいか」と思っていた私も、軽快に走る実物を見てコロッと気が変わり、ボートを降りると、今度は馬車乗り場へ向かいました。


しかし、馬車乗り場は、決まっていないのです。
日本から持っていったガイドブックにも、発着場所はメインであるマルクト広場か、曜日によっては、その少し東にあるブルグ広場から、としか記述がなく、どちらの広場にも案内はありません。
よく見ると、時々やって来る馬車が停まる所に長〜い列ができていて、どうもそれが乗り場なようです。
念のため一番前まで行ってみますが... やはり何の表示もありません。
普通、日本だったら「観光馬車乗り場 料金;○○円」みたいな、簡易バス停っぽい表示板が立っているとか、案内の人が居るとか、小屋があるとか... 何かあると思いませんか?
しかし、みんなが待っているのは、ロータリーのほんの一画。
他に待っている人がいなかったら、
「あの人、道がわからなくなって立ちすくじゃってるのかしら?
 それとも歩き過ぎて疲れて、とりあえず立ち止まっているのかしら??」
としか思われないような所なのです。
同じ市内でも、ボート乗り場はちゃんと「乗り場」だったし、人もいたし、料金表もあったし、全然違うんだなぁと思いました(笑)。
でも、まぁ他の人も待っていることだし、時々、馬車が来ては、今まで乗っていたお客さんが降りて、待っていたお客さんが乗っていくので、そういうもののようです。
ちなみに料金は、馬車の脇に看板がぶら下がっていて、そこに書いてありました。


馬車を待つこと約1時間(けっこう人気なんですよ)、やっと次の馬車に乗れる!という時に、中学生か高校生くらいの女の子のグループが、1枚の紙を持って私に近付いてきました。
グループの1人の女の子に
「Can you speak English?」
と聞かれ、「少し」と答えると、彼女は
「あなたの国の言葉で、”I love Belgium”と書いて」と言うのです。
差し出された紙には、確かに色々な国の言葉でそれらしき言葉が綴られていましたが、日本語はまだの様子。早速、渡されたボールペンで、
「私はベルギーが大好きです」
と書くと、「私」と書いた時点で、彼女たちが
「おぉ〜っ」とも「うわ〜」とも「きゃ〜」ともつかぬ感嘆の声を上げたので、やっぱり西洋人から見ると、漢字は未知の物なのだなぁと改めて思ってしまいました。
せっかくだから本当はもっと難しい漢字を使ってあげたかったのだけど、内容がシンプルなだけに「愛しています」も大袈裟かと思い、「大好きです」で締めくくると、今度は口々に
「それを読んでください」と。
私が読み上げると、彼女たちは目を白黒させて
「ぜーんぜんわからないわ〜」
というゼスチャーをして、
「ありがとう〜!」
と、元気な笑顔で去って行きました。


たぶん、社会科か何かの授業で来ているのでしょう。
ブリュッセルの町中でも、ここへ向かう電車の中でも、同じような年齢の子たちがグループでメモを取りながら歩いていたり、先生に連れられているのを見たので、ちょうどそういう時期だったのかもしれません。
ブルージュはブリュッセル以上に観光地なので、様々な国の人が居て、こういう課題も授業で行えるのでしょう。そして、若い時から「外国人に英語を使って接する」という体験ができるのだなぁ。。
日本だったら、どこへ行ったら世界各国の外国人がたくさんいるでしょうか??
京都とか、そうなんでしょうか? 六本木はちょっと違うしなぁ(笑)。


やっとのことで乗った馬車は、こちらも思ったほど臭いもなく、
「えっ こんな所を通れるの??」
というようなあちこちの路地を抜け、15分程走った後に、町の南に位置する愛の湖と呼ばれる小さな湖の傍で10分の休憩を取ります。
しかし、この休憩は私たち人間の休憩ではなく、馬のための休憩なのです。
ここに馬の食事場所と水飲み場があり、そこで馬に休憩を取らせて、後半の15分を走らせるというシステムになっているのでした。


愛の湖には、信じられないほどたくさんの白鳥が住んでいます。中には、卵を温めている白鳥もいて、人間を怖がったりもせず、極めて”普通に”そこに白鳥がいる、という感じです。
白鳥を眺めながら馬の休憩を待ち、その後、また馬車に揺られてマルクト広場に帰ります。
この馬車ルートは、ほとんどブルージュ中心部を網羅してしまうので、もうこれだけで充分くらいなのですが、せっかくなら自分の足でも歩いてみたい...
馬車のおかげで立地もだいたいわかったし、同じルートを今度は徒歩でブラブラすることにしました。

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まずは、まだ食べていなかったリエージュ風ワッフルを堪能。焼き立ては格別です。
そして、たくさんの小さなお土産屋さんを散策しながら、先程の愛の湖のちょっと先にあるベギン会修道院を目指します。
この修道院は、今も実際に修道女が暮らしていて、世界遺産にも認定されている歴史ある建物です。
門を入ると、ひっそりとしていて、木漏れ日の中に広い庭が広がり、さすがに心が浄められるようなとても美しい場所でした。
その後、メインのマルクト広場に戻りながらまた街を散策し、ブルグ広場のカフェでお茶をして、夕方18:00くらいの電車に乗ってブリュッセルに戻りました。

他にも、今回は行けませんでしたが、ブルージュにはメムリンクの美術館やグルーニング美術館など、美術館もたくさんあります。
教会も多く、小さな路地裏の1本1本まで、徹底的に”ヨーロッパ”な街でした。
しかし、観光メインなだけに、物価はかなり高め。
レストランの昼食で1人3000円くらいは当たり前、お土産屋も同じ商品が店によって倍くらい値段が違ったりしますので、そういう覚悟は必要かも...

とはいえ、帰国後に「ベルギーへ行った」と言うと
「ブルージュ大好き!」「ブルージュいいよね〜!」
という友人・知人が多かったのも大変頷ける、小さくて可愛らしい街でした。
オススメです。

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翌日は、ベルギーを後にしてパリへ移動です。
パリはまたベルギーとぜんぜん雰囲気が違い、わずか数時間の列車の移動でこんなにも色々な文化に触れられるなんて、やっぱりヨーロッパって良いな〜と思いました。
パリは、10年くらい前に一度来たことがあるので2度目だったのですが、前は海外旅行が初めての母を連れての強行スケジュール団体ヨーロッパツアー。
少ない日程で驚くほど効率良く廻るツアーも価値はありますが、1つ1つを時間をかけて観光するということはできなかったので、今回が初めての旅行のようなものです。
宿はオペラ座から徒歩数分のプチホテルです。
隣はそこそこ美味しいイタリアンレストランで、設備も立地も文句なしでした。

ということで、今回はオペラ座を起点に、セーヌ川クルーズをして、エッフェル塔に昇り、ノートルダム寺院に昇り、サクレ・クール寺院に昇り、残念ながらメーデーに重なってしまい凱旋門だけは昇れませんでしたが、観光名所を思う存分、廻りまくることができました。

特に、初めて行ったモンマルトルのサクレ・クール寺院には、なぜかとても心惹かれました。
映画「アメリ」(私は、帰国後に観ました)の舞台になった地域なので、その映画の所々に出て来る白亜の寺院に、見覚えのある方も多いと思います。
モンマルトルは、パリ中心部からはちょっと遠いため、私もはじめは
「そこまで今回は行かなくてもいいかな」
と思っていたのですが、ノートルダム寺院に昇った時に、遠くにそびえる、まるで魔法の城のようなその姿を観て、また急に気が変わり、翌日にはモンマルトルへ直行したのでした。

「モンマルトルの丘」というだけあって、かなりの急な坂が多いですが、その坂や階段の街並が素敵なのです。
また、サクレ・クール寺院の中の売店で売られていたシルバーのブレスレットが、すごく可愛いんですよ!
あまりに気に入って、2つ購入してしまいました。
これは、図らずも帰国後に色々な人に
「それ、可愛いね〜」「どこで買ったの?」
と言われるので、その度にサクレ・クール寺院を宣伝(?)しています(笑)。


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...と、そんなこんなで最終日は22:00の帰国便ギリギリまでパリを遊び廻り、満足して帰国の途についたのでした。
ヨーロッパはちょっと遠いし、ユーロは高いし、難はありますが、やっぱり良いです。
また次回、行ける日まで頑張ろう〜!!と思えた、リフレッシュの旅でした。


#ちなみに、トップの写真はブルージュで買ったミニチュアの家模型。
 本当にこういう家がたくさん並んでいるんですよ。


2007年06月05日

ベルギー紀行(1)

200704_Belgium02.jpgGWを利用して、久々にヨーロッパ:フランスとベルギーへ行ってきました。
成田からパリのシャルル・ド・ゴール空港まで飛行機で約12時間、そこからTGVに乗り換えて、まずはベルギーのブリュッセルへ向かいます。

ブラジルへ行くことを思えば(リオまでは26時間)、飛行機の座席なんてどんなに狭くても、どんなにフライト時間が長くても全然へっちゃらの私なのですが、今回、初めて乗ったエール・フランスには、期待を裏切られました。
帰りの方がまだ良かったので、ちょうど一番狭いあたりに当たってしまったのだとは思いますが、とにかく座席が窮屈で、椅子の幅はもちろんのこと、前後の幅も「もうこれ以上詰められません」というくらいギリギリなのです。
私のようなやせっぽちの日本人でさえ「狭い」と感じるのですから、大柄な外国人の方々など、気の毒なほどでした。
行きの飛行機は、ほぼ90%がフランス人らしき外国人、しかも満席御礼。
私の前座席の男性客3人は、全員がシートの横幅から体がハミ出していましたし、座ったが最後、そこにハマってしまって身動きをとることもできないようなご様子。
また、そんなにはリクライニングにしたくなくても、前の人がめいっぱい座席を倒したら、自分も倒さないと居る所がなくなってしまいます。しかもその状態でトイレなどに立つと、帰って来た時には、まるでリンボーダンスのように体を反らせないと座れないのです。。
その滑稽さには、自分でも思わず笑ってしまいました。
エコノミーだから仕方がないとはいえ、あの窮屈さはなんとかなりませんかねぇ。。ビジネスとまでは言わないけれど、もうちょっとだけ足元に余裕が欲しいです。


飛行機の話はさておき、夜の9時に成田を出発した飛行機は、日付を超えて朝の5時にパリへ到着しました。早朝だからか、寒い寒い! 
7:30のTGVの出発までは空港駅の待合い室で居眠りをしながら待ち、やっとブリュセル行きに乗り込みます。
列車は、足も伸ばせてとにかく快適です。飛行機の後だと尚更そう感じます。
窓には、どこまでも続く緑の大地が広がり、その様子はまるで北海道の富良野のよう。
車内サービスの紅茶を飲んで見とれているうちに、わずか1時間半ほどでTGVはブリュッセルへ到着しました。スーツケースを受取って、タクシーに乗り、まずはホテルを目指します。

ブリュッセルの駅は普通の都会で、人々はアフリカ系、ヨーロッパ系の方が半々というような感じだったので、「ブラジルのリオみたい」というのが、私の最初の印象でした。
ベルギーの公用語はフランス語とオランダ語です。街のいたるところには両方の言語で案内が書いてあり、私は「全然わからないのがオランダ語、ちょっとわかるのがフランス語」と区別していました。噂には聞いていたけれど、英語の案内などほとんどありません。どっちもわからなかったら、読めないし、読めないと覚えられないし、確認できないし、かなりキツイなぁ...と。
せめて英語くらい書いてくれたらいいのに! まぁ、英語でもわかんないこともたくさんありますけどね。

ホテルは、駅からタクシーで20分ほどのところにある、普通の3つ星ホテルです。
ヨーロッパは物価が高いので、ホテル代もしかり、とても5つ星などには泊れません。せめて4つ星...と思ったものの、今回ホテルと航空券の手配をお願いした旅行代理店の方に
「3つも4つもたいして変わりませんよ。変えるなら、5つにしないと意味がないです」
と言われ、今回は宿に関してはガマンしました。
入口を入ると、小綺麗なビジネスホテルで、受付の人も英語が話せるし、感じも悪くありません。まずは合格、でしょうか。
チェックインにはまだ早いので、荷物だけを預かってもらい、ワクワクしながら街へ繰り出しました。
こういう時、私はいつも、小さい頃に行った海を思い出します。
波の打ち寄せる海が目の前に見えると、居ても立ってもいられないのです。早く泳ぎたくて泳ぎたくてたまならない、駆け出したいような、あの沸き上がる気持ち。きっと、この感情を失ったら、ちょっと精神的にマズいんじゃないかなと、個人的には思っています(笑)。


こうして歩き始めたブリュッセルの街。実はそんなには広くありません。
中心地はグランプラスという広場で、そこを起点にして放射線上に別エリアが広がるような形になっているので、比較的わかりやすく、メトロやトラム、バスを使えば移動も楽でした。
ホテルからグランプラスまでは徒歩で10分ほどだったので、散策しながらブラブラと進みます。
石畳の街並は美しく、建物は古いけれど...??
あれ、入っているテナントはほぼ日本と変わらないんです。ファッションの流行も、ほぼ同じ。
若い女性向けの店が立ち並ぶ道は、なんだか日本に居るような気さえしてしまうくらいです。
うーん、今やモードって完全に世界同時進行なんですね。

そして、とにかくチョコレート屋さんの多いこと! 
あ、レオニダス! あ、ゴディバ! あ、プラネット! あ、ガレー!...というように、街のあちこちに小さなかわいい店構えのチョコレート店が、嘘みたいにあるのです。
多分、東京の美容院くらいの割合で、チョコレ−ト屋さんがあるんじゃないでしょうか。うちの廻りの美容院がすべてチョコレート店だったら、すっごく嬉しいですね、私。
そして、普通の人が普通に生チョコやプラリネを買っているのです。中年の男性が多いのも意外でした。
日本のように「プレゼント」という感じではなく、ごくごく日常の中でパンやコーヒーを買うように、チョコがあるようです。チョコレートが暮らしに浸透しているのだなぁと、つくづく感心してしまいました。値段は日本とほぼ同じですので、決して安くはありませんが、さすがはチョコ消費量世界一だけあります。どのお店もディスプレイが美しく、見ているだけれも楽しいし、お店の入口を一歩入るとチョコレートの香りが漂っていて、なんとも幸せな気分になれるのも、いいですね。


さて、朝9:30のグランプラスはまだ人も少なく、晴天に恵まれたこともあって燦々と日が降り注ぎ、早朝のパリとはうって変わって暑いくらいでした。
広場の廻りに立ち並ぶ市庁舎や王の家、17世紀の建築物の圧倒的な存在感に、まずは感服です。
私は建築のことは詳しくはわかりませんが、ゴシック様式だったり、バロックだったり、とにかく繊細で手が込んでいて、こんなものを一体どうやって作ったんだろうと思わずにはいられません。
孔雀、狐、パン職人、風車、女性など、あちこちに銅像が埋め込まれていたりして、またそれが思ったより小さくてかわいいものが多く、探すのもけっこう楽しいです。さながら日光の眠り猫を見た時の感動です。
小さい頃に読んだ童話の、お姫さまが住んでいた中世の街というものが、現実にあったんだ!と実感するような、決してキラキラ輝いている訳ではなく、いぶし銀のような年季を感じさせる美しさなのですけど、なんとも素敵なのです。昔に訪れたことのあるドイツのローテンブルグもとても可愛らしい街だったけど、その親戚というか(笑)、とどのつまりは、やっぱりヨーロッパって凄い!というヤボな感情へ行き着きました。


広場に立って、グルグルと廻りを見回すのが一段落したところで、カフェでお茶でも飲もうということにしました。
ベルギーといえば、ベルギービール。本当はビールを飲みたい所ですが、アルコールが弱い私は、朝っぱらからとても飲む訳にはいきません。廻りを見渡すとほぼ90%が観光客らしき外国人で、しかも大部分がビールを飲んでいます。
たぶん暑いし、酔いなんてすぐに醒めちゃうんだろうな...とは思いながらも、初日から具合が悪くなっては困ります。替わりに涙を飲んで、ガス入りミネラルウォーターを注文し、一緒にベルギー料理のストゥンプを注文してみました。ストゥンプは、じゃがいもやにんじん、パセリなどの野菜を柔らかく煮て潰したマッシュポテトのようなもので、それに大きなソーセージとベーコンなどが付いてきます。マスタードと一緒に食べると美味で...ホントにビールによく合いそうな料理でした...


小腹も満たせたことだし、次はベルギーの人気者=小便小僧に会いに行くことに。
グランプラスから徒歩5分ほど行くと、普通の街角に突如として人だかりが。小便小僧を見つけるよりも人だかりを目安にした方が早いです。
そのくらい、「えっ、こんなに小さいの??」というほどの銅像なので、誰もいなかったら見落としてしまいそうです。どうしてこの像が有名になったのかは、イマイチ勉強不足で存知上げませんが、この小便小僧君はたくさんの衣装を持っていることでも有名。
私が行った時は残念ながらコスプレしてはいませんでしたが、そのワードローブたるや、670着以上あるそうです。


帰り道には、ワッフルを食べました。
ベルギーのワッフルは、長方形のブリュッセル風ワッフルと、楕円形のリエージュ風ワッフルの2種類があります。日本で「ベルギーワッフル」というと、リエージュの方を指す事が多いですが、それだけではないのです。2つは味が違うので、ベストな食べ方も微妙に違います。
ブリュッセル風は甘くなく、サクサクした食感で、アイスクリームなどと一緒に食べた方が美味。最初はシンプルにパウダーシュガーにしてしまい、あっさりし過ぎでちょっと物足りないくらいだったので、後でハーゲンダッツでアイス&ワッフルを食べたら(ベルギー限定メニュー?)、そっちの方が正解でした。

リエージュ風は、もともと生地に砂糖がかなり練り込まれていて甘く、モチモチした食感です。
そのまま食べても十分美味しく(もちろん、これにチョコやアイスなどを思いきりトッピングもできますが)、食べ歩きにはこちらの方が断然向いています。
どちらも甲乙つけ難いとはいえ、私はリエージュの方が好きかな〜
目の前で焼いてくれるバージョンは、アチアチで本当に幸せな味でした!


さて、散々ウロウロしている間に観光客も着々と増え、グランプラス周辺には、色々な旗を掲げた各国のツアー客御一考様があちこちにお目見えし始めました。
4月後半〜のヨーロッパは、21:00頃まで余裕で明るいので、18:00なんてまだ昼間の15:00くらいの感覚です。
ヨーロッパを旅行するなら、断然春〜夏が良いなと思いました。
私は今までいつも10月頃に来ることが多かったので、その恩恵に授かったことがなかったのです。やっぱり暗くなると色々怖いことも増えてくるだろうし、太陽の力を味方に付けた方が心強いですよね。

夕方、一度ホテルに戻り、荷物を部屋に引き上げます。
さすがにちょっと疲れが出たので少し昼寝(夕寝?)をして、その後、メトロで2つほど行った場所にあるレストランに食事にでかけ、その日は1日を終えました。

翌日、また天気は良好。
今日は、芸術の丘と呼ばれるロワイヤル広場へ。ここは、王立美術館、ベルヴュ博物館、王宮、図書館などの芸術的な建物が多く集まる地域です。
王立美術館は昨年、日本で開催された際に観たので、今回私が行ったのは、楽器博物館。
7000点を超える世界の楽器が、歴史と共に展示されていて、オーディオガイドではその音声を聴くことができます。
ほぼ朝一番で入館すると、何組もの小学校や幼稚園の遠足か社会科見学の子供達が、博物館の人に連れられて説明を受けているのに出会いました。
テルミンのコーナーでは、順番に1人ずつテルミンを演奏させてもらっていて、その音がずっとそのフロア中に響き渡り...(笑)確かに、子供は好きそうです。

展示物はピアノの前身から、ギターの原形?と思われるもの、美しいハープシコードなど、けっこう見ごたえがあり、とても楽しめました。
しかも、この建物の最上階にはテラス席を備えた、とても洒落たレストランがあり、そこで食事ができるのです。このレストランは有名で、昼食を取ることだけに訪れる人も多く、テラス席はすでに予約でいっぱい。12時にはかなり広い店内があっという間に満席になりました。味も雰囲気も良く、オススメです。
1898年にデパートとして建設されたという、この博物館の建物自体もアールヌーヴォー建築で、内外共に古き良きヨーロッパの雰囲気を醸し出しています。


午後はさらに南に下り、ルイーズ広場へ。ここはちょっとハイソなショッピングエリアで、ウィンドーショッピングをした後、道すがらにスーパーマーケットを物色。
私は、海外のスーパーが大好きなのです。その国の暮らしがわかるし、雑貨も食品もかわいいものがいっぱい! 見ているだけでも楽しいんですよね。
そしてさらに、ベルギーのスーパーでは、驚くことが2つありました。

まず1つ。パンが大きい!!
その大きさや、タダモノではありません。丸いものは大玉スイカくらい、バケットだって、縦も横も通常の2倍はあります。そのオバケパンは、専用の大きな透明のボックスにボンボンと無造作入れられてというか、放り込まれていていて、市民はその大きなタンスのような引き出しを開けて、よっこらしょっとパンを取り出し、レジへ持っていくというしくみになっていました。
こんな大きなパンを、一体何日で、何人で食べるのでしょう??
ホテルの朝食で出たパンも、確かに大きかったですが...
そういえば薄切くスライスしてあって、食べ易かったし、美味だったし、まぁ日本の主食のお米であることを考えれば、これだけのボリュームのパンでも別に問題はないのかもしれないけど...
でも、あのパンケースとパンと、その種類は圧巻でした。

そして2つ目のびっくりは、マナーです。
スーパーの商品を、購入前に食べながら買い物をしている人を何人も見かけたのです。
断っておきますが、これは子供ではありません。れっきとした大人です。
もちろん子供もいましたが、若い人もいたし、おばさんもいたし、普通の人(女性が多かった)が、ポテトチップスやチョコやジュースを食べたり飲んだりしながらスーパーを廻り、最後に会計をする時にそれも一緒にカゴに入れて、清算をしているのです。
これって、ベルギーでは普通ですか...???
4軒ほどのスーパー全部で、食べながら買い物をしている人に遭遇しましたが、店員も別に咎めたりもしていませんでしたので、問題ないのかなぁ。

さて、今夜はイロ・サクレ地区のレストランで夕食です。
イロ・サクレ地区とは、狭い路地裏のような道の両端にズラーッとレストランが並ぶ地区で、イタリアン、ベルギー、フレンチなどあらゆる料理のお店が軒を連ねるいわば”レストラン横丁”。
呼び込みも激しく、ボッタクリ店や当たり外れもあるようなので、どこでも良いという訳にはいきませんが、歩いているとあちこちから良い匂いが漂ってきて、ちょっとアジアンチックな感じもします。
今回は、ムール貝専門店の「シェ・レオン」へ。
私は「ベルギーへ行こう」と思うまで全然知らなかったのですが、ベルギーはムール貝が有名なのだそうで、どのレストランでも、釜(あえて鍋ではなく、釜と書きます)で10人分?と思うほどの量のムール貝の白ワイン蒸しを食べている人を見かけます。確かに、あの量であの値段は安いのですが、さすがに食べ切れないので、皿で出て来る一番小さいものをオーダー。
うんうん、美味しい! 日本で食べるムール貝って、オレンジ色で、小さく縮まっていて、固くて...というイメージ(私が良い物を食べていなかったからかもしれませんが)じゃありませんか?
ベルギーのムール貝は、白くて、ふっくらしていて、まるであさりの酒蒸しのようなのです。いくらでもいけそう! これもビールに合いそう...うぅぅ
ムール貝でお腹いっぱいになって、この日は終了。
さて、明日は電車でちょっと遠出をします!