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2007年02月19日

英会話スクールを探せ!)その2

◆さて、前回に引き続きB校のレベル・チェックと体験レッスンへ。
ブランドイメージ戦略が大成功しているだけあって、B校の各レッスン部屋はすべて防音が施されており、明るく綺麗な内装。1F入口にはカフェが併設されていて、オーダーすると割引き料金でデリバリーまでしてくれるというサービスぶり。
「英会話を習っている格好良い自分〜♪」に浸れそうな雰囲気です。

レベル・チェックはE校と同じで
「単語やイエス、ノーだけで答えない、できるだけ長くたくさん話す、でも文法的に間違うと減点扱いになるので気をつけて話す」ように事前にカウンセラーから案内があります。
通された部屋で待っていると、講師は、ロサンゼルス出身のちょっと気難しそうな初老の男性でした。

なんと名刺を持って現れた彼は、早速自己紹介を始めました。
私が慌てて椅子から立ち上がり名刺を受取ると、
「今から色々質問をしますので、リラックスして話してください。」
と言って私に着席をすすめ、質問を始めました。

テストはE校とほとんど同じす。
「なぜ英語を勉強したいのか」「どこに住んでいるのか」など、書類にチェックをしながら質問され続けます。どうも、下のレベルから順々にチェックするためのマニュアルがあるようです。
一通りの問答が終わると、今度は
「ここはパーティ会場です。あなたと私は今、初めて会いました。さあ、その状況から会話をしましょう」
と言われ、今度は自分が講師に質問をしたり、質問に答えたりすることを要求されます。
日本語でも、こういうのって苦手だなぁと思いながらも、とりあえずできる範囲で彼に話しかけ、だんだん話題に乏しくなってきたので、
「あなたのお仕事は何ですか?」(←語学学校講師に決まっているけど)
と聞いたついでに、
「英語を学ぶ上で、一番大切なことはなんだと思いますか?」と
聞いてみたのです。すると彼は一言、
「Object(目的)!」(←単語応答は減点じゃないの?)
そして、
「仕事で使うとか、はっきりした目標がある人は続くけど、無い人はいくらやっても喋れない」
と続けました。
まぁ、そうでしょうねぇ... なので、
「私もそう思います。私が今まで英語をやる気になれなかったのは、明確な目標が持てなかったからです」
と言っておきました。


◆その話題が一段落したところで、今度は色々な絵が描いてある大きなスケッチブックを見せられ、その絵の状況を英語で説明しろと言われます。
人が座っているとか、何人居るとか、女性がお茶を飲んでいます、とか...
とにかく難しい事は言えないので、間違わないように気をつけて言葉を選びながら話します。

すると、今度は簡単な地図のような絵を見せられ、
「あなたは今ここにいます。では、この広場に行くまでの道筋を説明してください」
と言われました。
今いる場所は、スケッチブックの端。広場は反対側の端。けっこう距離があります。

  ええっと... 昔、こういうの英会話本で見たことあるなぁと思いながら、

「まずはまっすぐ2ブロック行って、右に曲がって、そのまま3ブロック行って左に曲がって、
またまっすぐ行くと目の前です」
と答えると、講師はおもむろに立ち上がり、
「では、ちょっと待っていてください」
と言って、部屋を出ていってしまいました。

◆何?? と思って待っていると、講師はすぐに戻ってきました。そして、手にはテキストが!
彼は、最初の方のページをめくりながら、
「ここは、あなたには易しすぎます。 ここも、そうです。」
テキストには、挨拶とか、「これは何色ですか?」みたいな、いかにも初心者向けのダイアログが並んでいます。
そして、さらにめくりながら、
「で、ここは今のあなたには、とても難しい」
そのページには「Direction」の見出しが...

「あなたにはideomがない。
 表現力が足りないから、もっと色々な表現を身につけなければいけません」
と言われ、仰る通りですが...と思いつつ、
「はぁ〜」と返事をすると、今度はCDを取り出してデッキにセッティング。
どうも、模擬レッスンが始まったようです。

「今から流すダイアログを聞いてください。あとで質問します」
そう言われ耳を澄ますと、流れたダイアログは男女の会話で、女性が郵便局はどこか?と男性に尋ねているものでした。
男性は、デパートの隣だと言うのですが、女性はそのデパートの行き方がさらにわからない。それで、男性が「2ブロック行って、左に曲がるとデパートで、その先の銀行の前が郵便局だ」と答える...そんな内容でした。


...で、ここで、わかりました。
さっきの質問に、私はただ方向性だけを説明する内容で答えてしまったけれど、本当は「花屋の前を通って...」「○○通りを渡って...」「広場はガソリンスタンドの隣です」とか、そういう答え方をしなければならなかったようです。

  ...んだったら、最初からそう言ってよ!

ちょっと納得いかない感じを持ちながら、次の指示を待っていると、
CDデッキを止めた講師が私にした最初の質問は
「女性はどこへ行きたいんですか?」

これはすぐ、「郵便局です」と答えられます。次の質問も
「郵便局はどこの隣ですか?」は、
「デパートです。」(本当はデパートの名前がついていたが、それは聞き取れない)
とりあえず、OK。でも次の質問の
「デパートはどこですか?」
は、もうわからない。

「通常は3回聞いて、今の質問をします。だからわからなくても大丈夫です。
 もう一度聞きましょう」
講師はそう言うと、もう一度CDを流します。
でも、私は「2ブロック行って、左に曲がるとデパートで...」までの英語を覚えていられないのです。理解はできるけど、英語で言えない。
さらにもう一度聞いて、やっと答えることができ、そのあとの「その先の銀行の前が郵便局」は
さらにもう一度聞いて、答えることができました。


  わかっていないことが、よーくわかりました。ハイ。


その後、地図の絵を見ながら
「銀行は、郵便局の前です」「学校は○○通りに面しています」「本屋はカフェの裏です」
みたいな練習をひたすら繰り返させられ、少々テンションが下がる私。。
講師に、
「授業は楽しいですか?(彼はcomfortableを使っていた) リラックスしていますか?」
などと言われてしまい、いやいや、楽しくないなんてことはありませんよ、そうじゃないんですけど。
「あ、I enjoy it...」と、なんとか返事をしました。

いかにもベテランという感じの講師は、時々「おーい お茶」のペットボトルのお茶を飲みながら、初心者相手とは思えない、容赦ないネイティブスピードで話し続けます。しかも早口でハスキーな声の彼の英語はとっても聞き取りずらかったので、私は40分間に3度も「Pardon me? 」と言わねばならず(これは意味がわからない以前に、言葉として聞き取れないことがあったということです)、集中力が途切れてきた私は、疲れてきたように見えたのでしょう。

終了のチャイムが鳴ると、
「これからカウンセラーが来ますから、あとは日本語で説明してもらってください。では」
と言って、彼は部屋を去っていきました。こうして、40分体験レッスンは終了しました。


カウンセラーが来るまで、講師が置いていったテキストをパラパラ見ていると、「Direction」の次の項目は「Family」。家族や親戚の構成があれこれ書いてあります。

表紙を返してみると、レベルは1でした。


◆数分してカウンセラーが笑顔でやって来て、言いました。
「テキストを使って授業を行ったと思いますので、もうおわかりだと思いますが、
 お客様のレベルは1です。ただ、最初からやる必要はないだろうということで、
 後半の半分から...この、道案内の項目からですね、ここからということになります。」


B校のレベルは全部で10段階です。
カリキュラムとしては半年で1レベル上がれるようにはなっていますが、講師がOKを出さない限りはエスカレ−タ−方式に上がっていくことはありません。
「当校では、レベル2で海外旅行で困らない、レベル4で日本で英語の仕事ができる、レベル5〜6で海外駐在員、レベル7からは海外の重要なポストに就いてで仕事ができる、というのを目安にしています。」
と、前回すでに説明されていたので、私が「レベル1」というのは多いに納得できますが、レベル1からスタートって...  あまりにも先が長過ぎる...

しかも、やっぱり私の希望の時間には、その校舎には、同じレベルのセミ・プライベート希望者がいませんでした。
他の地域の何校かに問い合わせて聞いてはくれましたが、
「19:45〜からなら、お待ちの方がいます」
って、私はもうその時間は、ご飯食べてゆっくりしたい時間ですよ〜

「レベル1の方はいっぱいいますので、今後、昼間の時間帯に希望者がいらっしゃるようでしたら、ご連絡しましょうか?
 または、プライベートならいつでもスタートできます」
と言われても、セミ・プライベートなら何とか払えるレッスン料も、プライベートとなると半端じゃありません。

平日昼間の割引き料金プランを使っても、40分1コマ約8000円。
これだけなら、なんとなく払えそうな額です。でも、どこの英会話スクールもそうですが、これにはトリックがあって、40分1コマだけではレッスンは実際は受けられず、半ば強制的に2コマ以上受けなければいけないので、週1回=16000円となるわけです。
それを月4回ですから...月額にしたら怖いくらいですよね。
しかも、半年分を一括納入することになっているので、支払いは一度に約31万円。年間で62万。
(セミ・プライベートは、この半額程度)

他にテキスト代金が、レッスン形態は問わず1レベル毎に平均2〜3万円。実力テスト受験に7500円...
たとえ貯金をはたいて1回は払えたとしても、もう後が続きません。本当に勉強したい所に来た時には、スッカラカンですよ。

「Tom is my uncle. He is my mather's yonger brother」
とか、そんなレッスンに月6万も、私は払えません!!


...って、そんな事もきちんと話せないレベルの人間の言うことじゃありませんけど、ここまで基礎が出来ていないのなら、私はもっと徹底的に勉強させられる学校に行って、基礎からを叩き直して出直して来ますよ、ホント。
または、年間62万も出すなら、アメリカかイギリスに留学した方が良いです。


とりあえず、講師もカウンセラーも学校自体も感じは悪くはなかったけど、あまりにコストパフォーマンスが悪すぎて、B校は検討から外すことにしました。


◆B校をやめた理由は、実はもう1つあります。
お金以外の面でも、どうしても気になることがあったのです。

それは、こんなに高額な料金を払わせながら、講師が担任制ではないということ。
学校側の話では、色々な発音を聞き取れるように毎回違う講師が担当します(40分2コマ授業の1コマ1コマで講師が変わる場合もある)と説明していました(講師指定はできませんが、「この講師はイヤだから今後当てないでくれ」という事はできるそうです)
それにも一理あるとは思いますが... 上級者には良いとしても、初心者には、どうでしょうか?


わずかながらも数年間、モノを教えるという仕事に携わって来た身としては、どうしても講師側からの目線で考えてしまうのです。
もし自分が”毎回どの生徒を担当するかはわからない”という条件で勤めるとしたら、私は、とてもやり甲斐がないだろうなぁ〜と思います。
担任制でないということは、明確な責任もなく、この生徒はどうやったら上達するだろうか?などと考える必要もなく、テキストの通りに時間内だけレッスンすれば良いので、”生徒の間違いは、その場ですぐ直す”を徹底すれば、生徒も講師も、お互いにそんなに悪くないと皆さんは思われるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか?


同じように「英語が話せるようになりたい」と思っている生徒でも、その目的や動機、モノの考え方は様々です。
同じことを同じように教えても、すぐにわかる人、ゆっくり理解する人、まったくわからない人...と、本当に人は十人十色。
的確なアドバイスをして上達に導くためには、その生徒が「どういう風に物事を理解するか」という事を、まず講師が理解する必要があります。そしてそれは、ある程度コンスタントに生徒と接してみないと、わからない事なのです。

わかってもらえなかった時に、「じゃあ、今度はこうやって教えてみよう」と考えて、わかってもらえた時の嬉しさ...それが教える側の醍醐味なのに、それが無かったら??
やり甲斐がなければ、必然的に良い授業を行うのは難しいでしょう。


それに、初心者は、初めての習い事に少なからず緊張しています。
毎回違う講師に教わるというのは、内容に集中する以前の問題が生じては来ないでしょうか。
まぁ、私の場合はまったく緊張しないので全然問題ありませんが、今までの経験上、ほとんどの生徒は自発的に質問してくるようになるのに、数カ月程度〜の多少の時間がかかります。
それは、講師を信頼してくるとか、緊張が解けてくるとか、自分なりに理解が深まってくるとか、色々な要素が関係してくると思いますが、人間関係ですから、心を開くのに時間がかかって当然です。相性もありますしね。

生徒の間違いを指摘して、その場で直させたとしても、その場限りかもしれませんし...
ということで、やはり一期一会のレッスンには、疑問を感じざるを得ないのです。

◆こうして、同じ英会話スクールという分類でも、E校とB校のカラーや方針は、まったく違うことがわかりました。

超初級、入門、基礎、初級、準中級、中級、上級の全7段階と、初心者の分類が細かく広く、生徒の良い所を誉めて伸ばして、楽しく英語を学ぼうというE校。

初級2段階、中級4段階、上級4段階の全10段階と、中上級者の分類が細かく広く、間違いは許さない、出来ていない所を徹底的に指摘し、恥をかかない完璧な英語を目指すB校。

それぞれに良さはあると思いますが、ただでさえ完璧主義で、下手な英語を話したがらない、日本語でも大勢の前で自分の意見を述べたがらない日本人の特性を考えると、B校の方針は初心者向きではないと感じました(上級者で普段日常的に仕事でバンバン英語を使っている人には、良いと思いますが)。


   ...さて、どうしようか。


2校の体験レッスンをしたことで、少しだけ英会話スクールの実体が掴めてきたので、ネットで体験談やコミュニティをあらためて覗くと、やはりどこのスクールにも一長一短があり「自分がどこは譲れず、どこは妥協できるか」に、かかっているという事のようです。

レッスン料を考えると、プライベートは「激安英会話」のような学校に行くしか道はなさそうでした。それで喋りまくるというのも悪くはないように思えましたが、これもある程度(中級者以上)向きのレッスン形態でしょう。
私は、やっぱり初めは基礎をなんとかしたいという思いが強かったので、ここへ来て始めて、グループレッスンというスタイルも検討することを考えはじめました。

ポルトガル語を始めた時を思い起こしてみると、私はずっとグループレッスンで学んでいたし、ある程度の人数(10数名)までなら、宿題が出て、カリキュラムがしっかりしていれば、極めて効率的です。無理にプライベートにこだわる必要もないかもしれません。


そんな時、妹にこの話をすると、彼女は
「ふーん、S校って知ってる? 友達の○○ちゃんが行ってた所だよ」
と、聞いたこともない学校を教えてくれました。
○○ちゃんとは、海外営業セクションで仕事をしていた彼女の友人で、イギリス人の旦那様と今はイギリスに住んでいるのです。
おぉ、それなら本格的かも!と思い、ネットで検索すると、ありました!S校!

そこは、同時通訳者の養成学校としては先駆けの、英語アカデミーだったのでした。(つづく)

2007年02月15日

英会話スクールを探せ!)その1

◆電子辞書も買ったことだし、いよいよ英語を習いに行くためにスクール選びを開始しました。
今まで、私は学校以外で英語を習ったことがほとんどありません。
OLをしていた時に、1年半ほど上智大学の公開講座(20人〜のグループレッスンでほとんど話せない)と、ホームステイ先のニュージーランドで通った簡易スクールみたいな処(10人程度のグループレッスン)に1カ月。あとはラジオ英会話を途中で挫折とか...たったそれだけです。しかもそれは10年くらい前の話...

ネットで検索するも、英会話スクールなんてものすごい数が引っ掛かかってしまい、判断がつきません。
なのでとりあえずは、英語で仕事をしている友人や知人が通っていたスクールを当たろうと思い、まずはセレブ・ブランドで有名なB校と、英会話スクールの老舗的存在のE校へ説明を聞きに行きました。

◆B校はプライベート・レッスンが主体ですが、2〜3人のセミ・グループレッスンもやっています。
対してE校はグループ・レッスンが主体ですが、フリーに予約できる1〜4人のセミ・グループレッスンや、担任制のプライベートも売りにしています。

相場すらわからない私は、だいたいどのくらいの金額で、どんなレッスンをやっているのかということを、それぞれの学校のカウンセラー(英会話スクールは、担当者をこう呼ぶようです)に早速伺ってみたのですが...!

私の希望は『2〜3人のセミ・グループで、12:00〜17:00位の平日昼間に、やる気のある人と一緒に勉強する』というものでしたが、話を聞くに従って、それが大甘の甘々だったことがわかりました。

まず、平日昼間には、グループレッスンがないのです。
英会話を習う人はだいたいビジネスマンが多く、ということは、レッスンが集中するのは土日か平日の夜19:30〜になります。
昼間に来られるのは、大学生か主婦、定年後の年輩の方々だということで、
「学生はちょっと違いますけど、昼間のクラスは趣味で通われる方が多いので、通常よりもゆっくりめに進むクラスになっており、お薦めできません...」とのこと。

「プライベートなら、講師の時間も空いている所が多いので、どこでもお取りできますよ!」
と言われるも、プライベートの料金なんて、給付金制度も使えない私がとうてい払える額ではありません。

うーん。。と悩む私に、どちらの学校のカウンセラーも、
「まずはレベルチェックテストを受けていただいて、あなたのレベルがどこなのかを正確に判断しましょう。 そうしないと、クラスも捜せませんので〜」と笑顔で言います。
私のレベルなんてチェックするまでもなく1とか2だろうけどけど、やってみるのも面白いかも...と思い、テストを予約。それぞれのパンフレットを手に、ひとまず帰宅したのでした。

◆レベルチェック・テストとは15分程度の口頭テストで、講師と実際に英語で話をしてみて、その講師が総合的に現在のレベルを判断するというもの。
そしてその後に続けて体験レッスンが付いていて、相応レベルの教材を使って模擬レッスンを行う=合計40分というものです。2校ともほぼ同じような形式になっていて、E校はさらに「簡易型のTOEIC形式の筆記テストも無料ですので、良かったら受けてみてください!」
というので、それも併せて予約。
英語なんてあまりにも久しぶりなので、ちょっとは勉強した方が良いのかなぁとも思ったけれど、この場に及んで一夜漬けをしても、所詮は無駄な抵抗。現状を知るという点ではありのままが良いのだろうと思い、電子辞書をチョコチョコいじる以外は何もせずに、まずはE校のレベルチェックと体験レッスンに行きました。


最初に「簡易型のTOEIC形式筆記テスト」を受けさせられるために個室に案内され、
「TOEICは受験されたことがありますか?」
と担当者に聞かれますが、答は「もちろんありません!」
大学生の時に英検2級を落ちたくらいですから...とまでは言わないまでも、まったくの初めてだとわかると、担当者は一通りの流れを説明してくれて、先にリスニングテストですと言って、カセットデッキのスイッチを入れると、私を残して部屋の扉を閉めました。

最初は写真の説明問題。英語で説明されている4つの文章のうち、一番適切なものを選んでマ−クシ−トを塗りつぶしていきます。
しかしこのテスト、同じ問題用紙を今までに相当使い回しているのか、コピ−のコピーのコピー...みたいな感じで、写真が何だかよくわからない! 
「彼は運動場を走っています」という文章らしきものが聞こえるも、モノクロ写真の背景が潰れていて、これ、運動場?? 体育館?? どっちかなーってな具合なのです。
その後は会話を聞いて設問に答えるとか、アナウンスを聞いてその内容についての設問に答えるとか、幾つかのパターンの問題を解いて、30分。あれよあれよという間に終了しました。

その後に筆記テストが30分。
これは穴埋めとか、文章中の間違っているものを探すとか(新TOEICではこの問題は無くなりました)、長文の読解等、やはり幾つかのパターンの問題を解いて、30分。
誤りを探す問題は、はっきり言ってまったくわかりませんでした。
   私には、どれも別におかしくないんですけど...??
マークシートなので、とにかく運がよければ当たるだろうと思い、Aが続いちゃったから次はCにしておくか...という感じで、適当にしのぎました。

◆テストが終わって、次は口頭テスト;今度はいよいよ英語を話さなければなりません。
始まる前に、担当者には
「口頭テストでは正しい構文でできる限り長く話してください。
 イエス、ノー、だけで終わらないで、ちゃんと最後まで文章を話してください。
 また、講師の質問を繰り返してもらうことや、講師に質問をしてもらうということもあります」
などという注意書きの紙をもらい、それを読みながら待つこと5分、私の体験レッスンの担当は、イギリス人の40代くらいの感じの良い男性講師でした。

そこから「あなたはどこに住んでいますか?」とか、「仕事は何をしていますか?」「なぜ英語を勉強したいのですか?」などの質問が始まります。
イギリス訛りはまったくと言っていいほどなく、とてもゆっくり話してくれるので、別に何の違和感もなく聞き取れますが、やっぱり言葉が出てこない...
「昨日は何をしていましたか?」の質問に、「楽譜を作っていました」と答えたいのに、「楽譜」の単語が出て来ない! 英語で楽譜って何?? 確か簡単だったはずなんだけど... 頭は真っ白です。
ポルトガル語ではpartituraと言うので、もしかしたら似ているかもと思い、小声で「I wrote partituras...」と言ってみるも、先生は怪訝な顔。あ〜やっぱり違うか! こうなったらしょうがない、していた事を変えるしかありません。
突然、前言撤回。「I cleaned my room yesterday!」にして、やり過ごしました。

その後もしばらく構文力チェックの質問が続き、15分くらいしたでしょうか、やっと
「OK! Just a moment.」と言って、先生は私のレベルの教材を取りに部屋を出て行きました。
そして始まった模擬レッスンは「頻度を問う練習」。

「How often do you eat sushi?」〜あなたはどのくらいの頻度で寿司を食べますか?

週に1回、2週に1回、年に1回、めったに食べない、いつも...などのバリエーションをまぜて、寿司だけじゃなくて、他にも旅行とか、読書とか、パチンコとか、色々な例が書かれたテキストを見つつ、ひたすら頻度を尋ねあう...というもの。

慣れてくると、それに更にプラスアルファの情報も付け加えて、話を広げて行きます。
「どのくらいの頻度で外食をしますか?」
「週に2回くらい、お昼を外食します」
「何を食べることが多いですか?」
「だいたい、スタバでサンドイッチが多いです。
 あんまりスタバのサンドイッチは美味しくないけど、スタバは全席禁煙なので!
 私は煙草の煙りが大嫌いなんです。」
...と、こんな感じです(まったくもって、大した話はしていない)。
この時、私が「Star backs coffee」と言ったら、「Star backs coffee shop」と、「shop」を付けるように言われました。何故か?までは聞く余裕はなく...

そうこうして、あっという間の40分は終わりました。
このレッスンは、フリー予約のレッスン(生徒は同レベルで最多4名まで)の模擬授業です。
この形式のレッスンは、毎回先生も生徒の顔ぶれも違うので、毎回どこからでも始められるレベル別のテキストになっていて、日常生活に使えそうな様々な会話のトレーニングをするというものなのだそうです。

まぁ、楽しかったには楽しかったけど、1人なら先生とマンツーマンになれて良いとはいえ、これをMAX4人の日本人生徒でロールプレイってのはどうかな〜という感じでした。

◆その後、カウンセラーが先生のコメントと、TOEIC形式テストの結果を併せた総合レベル判定と、入れそうなクラスを案内をしてくれます。
カウンセラーは、書類を手に開口一番、
「テスト、最初ちょっとやり方を失敗しちゃいましたか?
 たいへんユニークな結果になっております」と笑顔で言いました。

何がユニークなの?と思いきや、それはTOEIC形式テストの結果についてで、
「リスニング問題は後半に行くに従って問題が難しくなるので、普通はだんだんできなくなるのですが、
 柳沢様は後半に行くに従って正答率が上がっています。こういう方は珍しいんです」と。

結果を見ると、一番易しいはずの写真描写問題が50%、その後の応答・会話問題で60%に上がって、最後の説明文問題が80%の正解率になっているではありませんか!
これには自分もびっくり仰天(だんだん耳が慣れたのか?)。
「いや〜でも、偶然じゃないんですかねぇ...」
と半信半疑の私に、
カウンセラーは笑顔で続けます。
「でも、リーディングの読解も8割近く合ってますから、偶然じゃないでしょう。」
彼女の持つボールペンの先には、確かに、文法・語彙73%、読解80%の文字が。
そして誤文訂正は正解率40%... うむむ、あてずっぽうでも4割は当たるようですけど...

カウンセラーはクラス分けの用紙を広げ、話し続けます。
「先生も、リスニングが大変良いって言ってましたよ〜 
 ただ、聞けるほど話せないようですので、まずは話す練習をして、
 聞くのと話すのが同じレベルになるようにするのが良いと思います」。

結果、私のレベルは初級の上、全7レベル中の4.5くらいの位置だと言うのです。
「良く知っている話題なら会話もだいたい問題ないようですし、1ヶ月くらいレッスンしたら、準中級(レベル5)に上げられそうとのことです」
と言われるも、にわかには信じられません。

   E校って、できる人はあんまり来ないのかなぁ...??

ぼんやりとそう思いながらも、コースと支払い金額の説明を受け、
もし興味があったらお早めにお申し込みいただくと特典がありますよ〜と言われ(でも、しつこい勧誘などはまったくなく)、「長い時間、お疲れさまでした!」と笑顔で送り出されました。

◆悪くはないけど、私としては、もう少しカリキュラムがしっかりしていた方が良いような気がしました。
でも、E校は、担任制プライベートかMAX12人のグループレッスンじゃないとそういうことは望めないし...

このMAX4人のフリーレッスンは、講師指定はできます。また、1人で4人分の料金を払えばマンツーマンになれます。
あるいは運良く他者の予約が入らなければ1人分料金でマンツーマンになれますが、そうそうラッキーに賭ける訳にもいきません。
(通常はレギュラーのMAX12人のグループレッスンを受講しながら、会話力実践のために、このフリーを取るようです)

確定授業じゃなければ、どうしても行き当たりばったりのレッスンになってしまうし、それを繰り返しても、ある程度話せる人は良いけど、基礎が出来ていない人は上達するとは思えないんですよね。

まだ1校目。B校も見て考えようと思い、エレベーターを降りてふと時計を見ると、E校に入ってから3時間が経過していました。ふーっ 先は長いなぁ。


◆それにしても、この10年あまり、まったくただの一度も英語を勉強したことも習ったこともないのに、10年前よりレベルが上がっているというのは、どういうことでしょうか。
E校の判定が大変ゆるかったとしても、営業トークにのせられたとしても、それをサッ引いて考えても、確かに聴き取りは、英検を受けた頃よりは、楽になっていたようには思います。
前は、「これ、疑問文かな?」くらいしかわからなかったので...

思い当たる事と言えば、ポルトガル語です。
単語はけっこう似ているものもあるし、構文も、日本語よりは英語に似ています。
ポルトガル語の勉強を続けていたことが功を奏したなんて、やっぱりブラジルは凄い! ますますポルトガル語が好きになってしまいました(オイオイ)。
1言語を一生懸命やると、次の言語習得が早いとは良く言うけど、確かにそれは本当かもしれません。。

そして、英語はキライ! 英語はできない! 英語はわからない!と思い込んでいた自分が、英語を遠ざけていただけなのかも...しれません。ということで、反省もしつつ、ちょっぴり気をよくした私は、その次の週にB校の体験レッスンへと向かったのでした。
そこで現実を突き付けられるとも知らず...(続く)

そうそう、帰りの電車の中で我が電子辞書を引くと、楽譜は「score」。
なんてこった〜!