« 桜、満喫 | メイン | アサイー »

練習嫌い

20080404.jpg「練習が嫌いなんです。本番が大好きなんですよ〜」
というアーティストに会う度に、不思議に思っていました。
なぜなら、そういう人に限って、とても良い演奏をするからです。

本番よりも練習大好き!な私としては、

  練習が嫌いでも、上手くなれるんだ〜
  やっぱり、ステージが楽しめるような人じゃないと、
  良いパフォーマーにはなれないんだなぁ。。

と理解していたのですが、最近、それが大きな誤解であると気が付きました。


実は、「練習が嫌い」という人の練習量は、
「練習が大好き」な私よりもきっと多いのです!!


だって、どう考えてもおかしいですよね。
楽器演奏や歌は、練習が嫌いな人が、日々ダラダラとトレーニングしているような状態で「ものすごく上手にできるようになる」ほど簡単なことではありません。
ということは、「嫌いになるほど練習をしている」ということなのでは?!
そして、だからこそ本番を楽しめるのでは?!

よく考えれば、彼らは
「練習しない」とは言ってない(笑)。
「しない」と「嫌い」は大きな違いです。


そりゃあーもちろん、今は毎日そんなには練習しないにしても、彼らには、相当死にものぐるいで頑張った時があったはずです。
私の読み通り、彼らとよくよく話をしていると、だいたい過去に少なくとも平均3〜4年、集中して猛特訓している期間があります。
3〜4年猛特訓(ここがポイント。気ままに何となくは意味なし)、そのまま10年精進してやっとモノになってくる...という感じでしょうか。
ジョアンだって、今でも「イパネマの娘」を練習しているそうですから(笑)。


こうやってトップに上った人たちにとっては、練習期間は苦痛ではなく、その過程を楽しみながらやっていることなので「苦労」であるとは思わないし、逃げずに粘って頑張れてしまう、あっという間の日々なのでしょう。
そして「もう駄目、これ以上はイヤだ〜っ!」という限界に来た頃に、何かを掴めるのでしょう。
ご本人たちにとって見れば、特訓した事実はもう過去のことで、今は、最終的な「もう練習はしたくない」という感情しか存在しない。だから
「どうやったらそんなに上手になれるんですか?
 毎日どのくらい練習しているんですか?」
と聞かれて、
「私(俺)、練習が嫌いで...」
と答える。
...こう考えたら、今までの謎が解けました。

スポーツなら、皆さん「練習が大事」と認識するけれど、芸術は感性だから、練習なんてあまり必要ないと思われる人も多いようですが、そんなことはありません。
以前、イラストレーターの方にも
「昔、吐くまでデッサンの練習した」
と聞いたことがあって、「絵は生まれつきの才能」と思い込んでいた私はビックリしたのを覚えています。
特に、基礎練習はするとしないは、その後の伸びが全然違うのはよくわかるので、
嫌いになるまで... 本当に文字どおり「吐く」まで基礎をトレーニングするのは、体が覚えるために必要なのでしょう。

練習大好きで上手な人もいるので、それが当たり前かと思っていましたが、
そうじゃないパターンも、けっこうありますよ。
上手な人の「練習嫌い宣言」に、騙されてはいけません〜!

「練習が好き」なんて言っているようではダメなんだわ。。と思いつつも、
楽しめているだけ、とりあえずは合格か?と思い直す私。
まだ当分は、大好きでしょうね(苦笑)。
出来ないことはまだまだたくさんあるし、それができるようになるのは、嬉しい!楽しい!


そういう期間を経て、
「私、練習が嫌いなんですよ」
と、いつか言えるようにないたいものです。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://perola.sakura.ne.jp/blog/mt-tb.cgi/117

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)